はじめに

相手にロンドンシステムに対して、黒番で戦い方の1例を紹介します。
正面からロンドンシステムに対して受けて立つ、トラップなどを狙わない正統派の戦い方です。
「ロンドンシステムに苦手意識がある」
「何をしてよいかわからない」
という人向け。
※ロンドンシステムを白番で使いたい方は下記の記事をご覧ください。
よくある流れ
白:初手d4と指されればロンドンシステムの可能性があります。
黒:相手にe4と指させない、同等に中央を支配しようとする手。

白:ビショップをf4に置くのがロンドンシステムの特徴。ポーンの外側にビショップを出すとよい場合が多い。
黒:中央支配に役立つナイト展開。黒番でd5ではなくナイトから展開する人も、2手目でd5とすればこの形にできます。

白:中央のポーンをサポートしつつ、白マスビショップ展開の道を開けています。
黒:中央のポーンをサポートしつつ、黒マスビショップ展開の道を開けています。

白:ナイト展開、このナイトはe5に入ることを狙っています。
黒:ビショップを交換したい狙い。

白:自ら交換せず、aポーンにビショップを守らせて、交換されたとしてもルーク前にハーフオープンファイルを作らせようという狙い。
黒:先にc5とするとビショップによるチェックがあるので、今回は先にキャスリングします。

白:中央を強化する手。
黒:d4オープニングでは、cポーンをナイトでブロックせず中央への攻撃に活用できるかがポイント。

白:ナイト展開。中央へのポーンブレイクのサポートになる。
黒:クイーンを展開して、相手のナイトが居座りたいe5へのコントロールを強めます。

白:e4でのポーンブレイクのサポートや、黒番のキング前を狙うビショップ展開。
黒:ナイトを展開して、e5のコントロールをさらに強めます。

例として、
白:キャスリングでキングの安全を確保。
黒:ビショップ交換。少しでも相手のポーン構造を崩す狙い。e5によるポーンブレイクなどの仕掛けが考えられます。

白:中央に向かって外側のポーンで取り返すのが基本。(チェスの守りたい原則)
黒:ポーンブレイク。ナイトとクイーンがうまくサポートしています!

黒:交換後はこのような形になります。

よくある流れまとめ:
GMによる対局例
グランドマスターたちによる対局例を見てみましょう。
Edouard(2645) – Nihal(2620) Capechecs Online Trophy-A
Seyed Jarrahi(2452) – Kovalev(2579) (Titled Tuesday)
Navara(2678) – Bok(2607) ChessKid Cup Div 3 W
さいごに
「ロンドンシステムを使われるとどうしていいかわからない・・・」という人は、この方法を試してみてください。
ロンドンシステムにおいて、白番が使いたいe5に駒の利きを集中させておき、
・相手の狙いの1つをやりにくくする
・自分からe5ブレイクを狙う
という戦い方です。
無対策よりは格段にロンドンシステムに対してやりやすくなるはずです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!😊
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