ベンコー・ギャンビットの特徴は?
ベンコーギャンビットはクイーンサイドでのアクティブなプレイが狙いです。
相手のクイーンサイドのポーン支配に対してポーンを2つ捨てることでセミオープンファイルを確保し、すべてのピースを活用して相手のクイーンサイドに攻撃を集中させることが目的です。
クイーンサイドを攻める感覚を磨きたい人、タクティクスを絡めて戦いたい人におすすめです!
ベンコーギャンビットを使うなら、ピースがアクティブになっているかを意識すると上手くいくことが多いです。
ベンコー・ギャンビットのよくある流れは?
白:d4はチェスにおいて2番目によく指される初手です。
黒:このナイト展開は相手のe4を防ぐなど、柔軟な対応となる一手。
ベンコーギャンビット以外にも変化できる柔軟性があります。
白:クイーンサイドをポーンで支配しスペースを確保する一手。
黒:c5で攻撃を仕掛け、中央支配を安定させない一手。
白:スペースを主張する前進。
黒:クイーンサイドのポーンチェーンを破壊するためポーンを捨てます。
ポーンを取ってきた場合は?(3. dxc5)
ビショップの道を開いてテイクバックを狙います。
白:ポーンをテイク。
黒:さらにもう1つのポーンを捨てます。
捨てることでa,bファイルがセミオープンファイルになり、ルークなどのピースがa, bファイルで活躍できる環境が整います。
白:aポーンもテイク。
黒:a6を取り返さずに展開を優先させます。ビショップをフィアンケットするためのg7。
黒:ビショップをフィアンケットします。
このビショップはベンコーギャンビットにおいて最も活躍するピースの1つです。
他の駒との連携で相手のクイーンサイドを攻撃していきます。
黒:キャスリングでキングの安全を確保。
白:フィアンケット、キャスリングを狙っていきます。
黒:d6でポーンの前進を防ぐ、ナイトの展開先の確保などの狙い。
黒:ナイトの展開。ここからナイトを複数回移動させて、クイーンサイドの攻撃に参加させる狙いがあります。
白:キャスリング。
黒:ナイトの再配置によって孤立したポーンに圧力をかけます。
白:ナイトの再配置をしつつ、ビショップでポーンを守る一手。
黒:ここでようやくポーンを取り返しつつのビショップ展開。
ポーン1つ分損していますが、そのかわりにピース展開でリードできています。
相手のピース展開が若干遅れているのがわかります。
ベンコー・ギャンビットのまとめ:
ベンコーギャンビットの各ピースの狙い
ベンコーギャンビットの各ピースがどこに動いてどんな狙いがあるか事前に知っておくと、中盤のアイデアが豊富になります。
いかにクイーンサイドでの攻撃に参加させるかがポイント。
ベンコーギャンビットではピースがどれだけアクティブ(活動的)であるかが重要です。
すべてのピースが活動的になっていればこのオープニングの目的は達成できたと言えます。
ビショップ
・黒マスビショップは、クイーンサイドを睨む強力なピースです。
目の前のナイトをマヌーバリング(配置の改善)するとビショップの利きが自然に発生します。
※マヌーバリングについてはこちらを参照ください。
・白マスビショップはb7, a6を使っていきます。
ナイト
ナイトを再配置(マヌーバリング)して、クイーンサイドの攻めに参加させていきます。
g7のビショップを活かすためにもこの動きを使っていきましょう。
クイーン
c7, b6, a5など、相手のクイーンサイドを狙う位置に配置します。
ルーク
ナイト、ビショップを展開した後にルークをクイーンサイドの攻めに参加させます。
セミオープンファイルにルークを配置することで、常に相手のクイーンサイドのポーンに圧力をかけられます。
さいごに
・クイーンズ・ギャンビット狙いに対してまともに当たりたくない
・ギャンビットを仕掛けたい
・何らかの変化がほしい
そんな人にベンコーギャンビットは面白い選択肢ではないでしょうか?
キングサイドを攻めるオープニングが多い中で、ベンコーギャンビットはクイーンサイドでのアクティブプレイが特徴的です。
黒番でありながら、自らイニシアティブ(主導権)を握って戦えるオープニングです。