チェスを始めて直面する問題の一つがクイーンの早期攻撃です。
一般に早い段階でクイーンを前線に出すと不利になると言われています。
理由としては、ビショップやナイトにクイーンが攻撃されて逃げなければならず、他の駒を動かすターンを制限されてしまうためです。(「テンポを失う」と言います。)
しかし、初心者のうちは守り方をわかっていないとルークを取られてしまったりすぐにチェックイトされてしまいます。
厄介なクイーン攻撃に対するスタンダードな守り方をご紹介します。
※他にも対応策はありますのであくまで一例です。
クイーンの早期攻撃(Wayward Queen Attack)とは?
e4,e5の後、クイーンがh5に飛び込んでくるオープニングのことです。
チェスの原則から言うと本当はクイーンをビショップやナイトより早く出すのは悪手とされていますが、初心者や対応をよく知らない人には威力を発揮します。
よくある間違い:もし、g6とポーンで守ってしまったら・・・
ポーンをg6としてしまうと、このgifのようにルークをタダで取られてしまいますので、注意しましょう。
ポーンを前進させるときは、「ポーンは後ろに下がれないけど、前進して大丈夫か?」と考えることが大切です。
【こちらがおすすめ!】対処法1:正しい守り方の大きな流れ
黒:クイーンに狙われているe5のポーンをナイトで守ります。
白:ビショップを展開してきます。
これにより相手はクイーンとビショップでチェックメイトを狙っています。
黒:クイーンの道をポーンで塞いでチェックメイトを防ぎます。今回はナイトがe4を守っているのでクイーンでe4を取られる心配はありません。
黒:クイーンはf3に移動します。これにより再度チェックメイトを狙っています。
黒:チェックメイトを防ぐためにナイトを展開します。これによりクイーンの効きからf7が守られました。
黒:キャスリングをしてキングを守るためにビショップをg7へ移動します。この動きをフィアンケットといいます。今後非常によく使う動きです。
黒:キャスリングをしてキングの安全が守られ反撃の準備が整いました。
一連の流れの例を下で見てみましょう。
繰り返し動かしてみて、どこを守るべきか再確認してみましょう。
対処法2:あえてポーンを取らせてピース展開を早める方法
対処法2:あえてポーンを取らせてピース展開を早める方法のまとめの盤面へジャンプ
ちょっと怖いかも知れませんが、ポーンをあえて取らせることで黒番が駒展開でリードする方法もあります。初心者のうちはこちらの方法は難しいと思いますので、上で解説した1つ目の堅実に守る方法をおすすめします。
こういうやりかたもあるんだと流して見てもらえればOKです。
黒:ナイトを展開しつつクイーンを攻撃します。
白:クイーンでe4ポーンをテイク。
黒:ビショップを展開。
駒の展開数は 白:黒=1:2でリードしています。
ポーンを犠牲にして駒の展開で優位に立つ考え方はチェスでよく出てくる考え方なので覚えておきましょう。(ギャンビットといいます。)
白:チェックメイト狙いのため、ビショップの道を開けます。
黒:キャスリングしてキングの安全を確保。
白:クイーンをg3に配置し、チェックメイトのために密かに準備しています。
黒:相手のチェックメイト狙いへのカウンター準備のため、ビショップの道を開けます。
白:ビショップをh6として次の動きでQg7のチェックメイトを狙っています。
このクイーンとビショップのコンビネーションは対処法を知らないとかなり強力です。
黒:ナイト(Ng4)は白のクイーンを邪魔しつつ、f2へ攻撃を仕掛けています。攻防一体の動きです。
ナイトはe8のビショップで守られているので取れません。
白:ビショップを逃します。
黒:ビショップでクイーン&f2の地点を狙っています。f2をビショップとナイトで攻撃する狙いです。
白:クイーンを逃します。
黒:ビショップでテイクしてチェック。キングは動かなければならないのでキャスリングの権利を失います。
その後の展開の一例で・・・
白:クイーンでポーンをテイク。
黒:ルークでクイーンをキングへピン。クイーンは逃げられないのでクイーンを取れます。
ここまでの流れ:
まとめ
動き回るクイーンの対処方法を知ればチェスを初めたばかりの段階から一歩前進したと言えます。
仮にこの対処手順を覚えていなくても、相手の狙いがわかっていればどのように守ればいいか思いつきやすくなります。
厄介な早期のクイーンの攻撃への対抗策を知ることで、黒側でも余裕を持ってプレーできるようになってもらえると嬉しいです。