はじめに
フォーナイツゲームは、序盤にお互いナイトを先に展開して４つのナイトが出そろうオープニングです。
比較的穏やかな序盤になります。
スコッチ・バリエーション
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フォーナイツゲームの中にもバリエーションがあり、ここではスコッチバリエーションを紹介します。
激しすぎでも穏やかすぎでもないオープニングを使いたい人におすすめです。
オープンになりやすいため、穏やかなフォーナイツゲームの中では比較的ダイナミックな展開になります。
ギャンビットの様なオープニングほどのリスクはないので、比較的安全にアクティブなプレーができるオープニングとも言えます。
よくある流れ
白：初手e4。チェスで最もよく指される初手。
黒：e5は同等の中央支配を狙う手。
白：ナイト展開。e5のポーンを狙っています。
黒：ナイト展開をしてe5を守ります。
白：クイーンサイドのナイト展開。「ナイトはビショップより先に展開した方が良い」というセオリーを忠実に守っています。
黒：ナイト展開をし、e4へプレッシャーをかけます。フォーナイツゲームとなりました。
白：ここでd4とポーンブレイクを仕掛けるのがスコッチバリエーションです。
ポーンブレイクについては以下の記事で解説しています。
黒：ポーンで取ります。黒番は８割方取ってきます。
白：ナイトで取り返します。
ここでd4にあるナイトを相手が取ってきたら？
黒：ナイト交換をしてきたら・・・
白：クイーンで取り返すと、比較的安全に中央へとクイーンを展開できました。
相手のクイーンサイドのナイトが交換されたので、白番のクイーンは中央にあっても攻撃されにくくなっています!
白：展開を進めていきます。
白：クイーンサイドへのキャスリング。
白：キャスリングしたキングを攻めるため、ポーンストームを仕掛けるのがアイデアの１つです。
攻撃を楽しめる展開になります。
ポーンストームについては以下の記事で解説しています。
黒：ビショップを展開しつつ、ナイトをピン。白番のピンされたナイトはe4ポーンを守れなくなりました。キングへの絶対ピンなので動けません。
白：ここで重要なのがナイト交換をしておくこと。
ナイト交換しなかったら・・・
ポーンを守ることだけに気を取られると、ナイトが守られないことを見落とします。
先にナイトを交換してからビショップ展開しましょう。
黒：ポーンで取り返します。
白：ビショップを展開しつつ、e4を守ります。
黒：ビショップ展開のためにdポーンをプッシュ。
白：ポーン交換します。
黒：ダブルポーンを解消できました。
白：キングの安全を確保するキャスリング。
ナイトで取ってきたら？
駒損を恐れずキャスリングしましょう！
相手のキャスリングを止めることができ、オープンな状態ですべてのピースでキングを攻めることができます！
エクスチェンジサクリファイスによってポイント的には損していますが、相手キングが中央にいること、オープンファイル、オープンダイアゴナルを活用したピースによる攻めが強いため白番が有利です。
流れ：
黒：同様にキャスリングでキングの安全を確保。
白：h3として、黒番のピースがg4のマスに入れないようにします。バックランクメイトを回避する手にもなっています。
黒：e5ポーンを守る一手。
白：クイーンの展開。
黒：ビショップを引いて、活用しやすい位置に配置。
白：ビショップ展開。これでルーク同士が守り合う形にできました。
ここまでできれば十分戦える形となっています。
フォーナイツゲーム スコッチバリエーションのまとめ：
GMによる対局例
グランドマスターたちによる対局例を見ていきましょう。
中盤のアイデアを知ったり、ピースがそれぞれどの様な役割を果たすのか知るのに参考になると思います。
Xiong(2646)-Bjerre(2648) 1-0
Titled Tuesday
Xiong(2692)-Andreikin(2729) 1-0
Titled Tuesday
Sanal(2577)-So(2765) 1-0
Titled Tuesday
Abdusattorov(2762)-Praggnanandhaa(2749) 1-0
Saint Louis Blitz(2024年)
さいごに
初手e4の中でルイ・ロペスやイタリアンゲームとは違うオープニングを指したいと思ったら、フォーナイツゲームを試してみるのはいかがでしょうか。
「オープンなポジションが好きだけど、そこまで激しくしたくない」という人にはフォーナイツゲームのスコッチバリエーションがおすすめです。😊
