French Defense/フレンチ・ディフェンス【チェス定跡】

French Defense/フレンチ・ディフェンス
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初手e4に対する堅いオープニングがフレンチ・ディフェンスです。
激しい展開を好まない人におすすめ。3つのバリエーションを解説していきます。

French Defense/フレンチ・ディフェンスの狙い・特徴は?

白がポーンを前進させすぎた隙を突いて攻撃する狙いや、
e4 e5の展開に入らないことで相手の望むオープニングを避ける狙いがあります。

クラブレベルで人気のあるアドバンスバリエーションでは、白番のd4ポーンに攻撃を集中させていくので「1点に集中攻撃をかける方法」を学ぶことができます。

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French Defense/フレンチ・ディフェンスの流れ

白:初手e4は最も人気のある初手。
黒:e6で返します。フレンチ・ディフェンスとなります。


白:d4で中央を支配。
黒:d5で返すのが基本。ここから白番の動きにより大きく分けて3パターンに分岐していきます。

アドバンスバリエーション (Advance Variation)

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アドバンスバリエーションのポイントは、白番のd4ポーンを攻撃のターゲットにすることです。

白:スペースを確保しつつ、黒のナイトやビショップの行きたいスクエアを攻撃しています。
白としてはスペースを確保したい意図があります。


黒:守られていないバックワードポーンを攻めます。フレンチ・ディフェンスに限らず、前に進みすぎたポーン群の最後方を攻撃することはよくあります。
カロカンディフェンスでも同じ考え方が使えます。
(※バックワードポーンとは守られていない後方のポーンのこと。ここでは↓の赤丸のポーンのこと)


白:d4ポーンを守るc3。ここでは白c3が最善手です。それ以外の手はe5ポーンの孤立につながることが多いため、e5を孤立させる事ができないか探りましょう。
黒:こちらはナイトを展開してd4への攻撃の枚数を増やします。


白:ナイトを展開し、d4をサポート。
黒:クイーンを展開し、さらにd4に攻撃の枚数をかけます。


白:ビショップの展開。最もアクティブなスクエアに配置。
黒:攻め:守り=3:2で数で勝っているので白のビショップ展開に対してd4ポーンをテイクします。
相手はビショップによりクイーンの射線が塞がれているのがポイント。


白:ポーンでテイクバック。
黒:素直にナイトですぐ取り返したいところですが、ディスカバードアタックで結果的にクイーンを失うことになるので事前にビショップで守っておくことが重要です。(下記落とし穴参照)

黒番の落とし穴(クリックで開閉)

ビショップで事前にブロックしておかなかった場合、d4スクエアの交換の後ディスカバードアタックでクイーンを失ってしまいます。

自ら間接的に攻撃されている場所に入っていくときは、「ディスカバードアタックでピースを失う可能性がないか?」と考えてみるとリスクを減らせます。


白:キャスリングで安全を確保。
黒:ナイトでテイク。


黒:最終的にd4での争いを制し、相手のセンターポーンを孤立させることができました。
また、クイーンをいい位置に配置できています。

↓ここまでの動きを確認

エクスチェンジ・バリエーション (Exchange variation)

エクスチェンジ・バリエーション まとめの盤面へジャンプ

中央ポーンの交換から始まります。
ドローが多いバリエーションなので、勝ちを狙ってクイーンサイドにキャスリングします。

白:ポーンテイク。
黒:テイクバック。


黒:相手のキングサイドを狙うようにビショップを展開。


黒:クイーンサイドキャスリングの前にキングが攻撃されるのを避けるため、ナイトで守っておく狙いがあります。


黒:ナイト展開しつつ相手ポーンへの圧力をかけます。


白:ポーンを守る一手。
黒:ビショップ展開しつつ相手ナイトをクイーンへピン。


黒:ビショップをポーンで攻撃してテンポ(時間)を得ます。
f6は相手のキング前のナイトのジャンプを予防する手にもなっています。
f6は相手のビショップがピンしてこなくても指す価値のある手です。


白:ビショップの退避。
黒:d7にクイーンを置けば、クイーンサイドにキャスリングできます。
クイーン・ビショップ・ナイト・ポーンをうまく組み合わせてキングサイドを攻めて行きましょう。

相手がクイーンサイドキャスリングを警戒してクイーンサイドを攻めてきたときは、キングサイドへのキャスリングに変更できる柔軟性もあります。

この時点でLichessレート1,200~2,000のデータでは勝率53%と互角以上になっています。

↓ここまでの動きを確認

ルービンシュタイン・ヴァリエーション (Rubinstein Variation)

ルービンシュタイン・ヴァリエーションのまとめの盤面へジャンプ


白:ナイトでポーンを守ってきます。(ナイトをc3かd2に配置)
黒:ポーンでテイクすることで、相手の動きをナイトでテイク一択に制限します。


白:ナイトでテイクバック。
黒:ナイトをd7に持ってくるのは、黒番のキングサイドのナイトをf6に展開した際を想定しているため。f6のナイトが取られた時にd7に持ってきていたナイトでテイクバックすることを考えています。


黒:ビショップフィアンケットの準備。


黒:ビショップをフィアンケット。キングサイド方向へビショップがよく利いています。


黒:ナイト展開し、キャスリングの準備。


黒:キャスリングでキングの安全を確保。


中盤まで崩されることなく駒組みができました。
この時点でLichessレート1,200~2,000では勝率5割のかたちまで持ってこれます。

↓ここまでの動きを確認

まとめ

黒番で受け身の展開になりますが、中盤へ崩れずに駒組みができる所がフレンチディフェンスの良いところです。

スペースがない展開でも駒展開をしていくトレーニングになります。
押し込まれた展開での他オープニングでも知識を活かせるため、試してみる価値はあるでしょう。

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オープニング(定跡)
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