はじめに
チェス初心者向けに、オンライン対局での簡単な振り返り方を紹介します。
chess.comやLichessを使います。
対局を見直してレベルアップしましょう。
評価値を使った振り返り方
評価値を使った振り返り方はChess.com、Lichessのどちらでもできます。
チェスエンジンをオンにすると、局面ごとの評価値が出てきます。
※補足
・初心者でも振り返りやすいポイントにしぼっています。
・ハイレベルな振り返り方は扱っていません。
・ここでは初心者でも理解しやすいよう、わずかな例外は除いた一般的な話をしていきます。
評価値とは?
「+1.6」のようにプラスの数値は白が有利であることを示しています。
ポーン1.6個分白が有利という意味です。
「-2.3」のようにマイナスの数値は黒が有利であることを示しています。
ポーン2.3個分黒が有利という意味です。
「0」に近ければバランスのとれた状態を意味します。お互い有利不利のない状態です。
#1は、チェックメイトまで後1手という意味です。
評価値が大きく変わった手に注目する
評価値が大きく変わる場合、何かミスがある場合が多いです。
例えば、駒がタダで取られる状態で放置している場合です。
※評価値はボード近くのバーなどに数値が+◯や-◯と表示されています。
<例>
この時点では-3.6で黒有利ですが・・・
次の手で+6.1となり白番が大幅有利になりました。
黒番はクイーンをタダで取れる状態で放置してしまっています。
<評価値とその後の手>
評価値を見てみると、-3.7という黒の有利を維持するのに一番良い手はQf6(クイーンをf6に動かす)だったとわかります。
どうすればよかったのか分かれば、改善に役立てられますね。
Chess.comの局後解析
Chess.comの課金の解析が使える場合は、局後検討を使いましょう。
(無料のメンバーでも1日1局は解析可能です。)
<悪手・大悪手に注目する>
まずは悪手・大悪手だけ振り返ればOKです。
<手の良し悪しの評価>
盤面を進ませながら手の評価を表示してくれるので、一目で手の良し悪しがわかります。
例えば★マークはベストムーブ(最善の手)、など。
chess.comの使い方についてはこちらで解説しています。
Lichessでの解析
コンピュータ解析(無料)を使う
対局後、盤面下でコンピューター解析を実行できます。
無料で1日40回解析できます。(2024/10月時点)
chess.comの局後検討に似たグラフです。
形勢が一目でわかり、気になった局面にすぐジャンプできます。
最初のうちは「大悪手・悪手」の部分だけ確認すればOKです。
気になった部分では評価値を参考にすることもできます。
例えば・・・
評価値的に、白番が最も良い手はNxf8だったとわかります。
また、次に良い手はNc5だったとわかります。
「自分の悪手に学ぼう」機能を使う
解析した画面には「自分の悪手に学ぼう」という機能があります。
自分が大きなミスをした場面に飛んで、何をすればよかったのか見直せます。
手の勝率を参考にする
解析のページで本のマークをクリックすると、次の手について、よく指される手とその勝率の統計データが表示されます。
例えば以下の例では、「この局面ではBf4を指す人は41%いて、白番の勝率50%、黒番の勝率43%だった」とわかります。
自分の対局でどの時点から勝率が落ちたか確認すれば、今後の参考にできます。
※勝率データの注意点
他の選択肢と比べて異常に勝率が高い手は、進んでいくとトラップ(罠)によって高い勝率となって場合があります。
トラップに頼ると実力がつかないので、トラップに頼らない手順を選ぶのをおすすめします。
Lichessの使い方についてはこちら↓の記事で解説しています。
大悪手・悪手を見直そう
「大悪手・悪手」について、自分の分かる範囲で次のことを確認しましょう。
・明らかなタダ取りはされていないか
・なぜ悪い手だったのか
・どのような手を指せばよかったのか
考えてもわからないこともありますが、まずは自分で理解しようとすることが大切です。
見直してもよくわからないときは?
手を進めてみる
チェスエンジンが「ベスト」と示す手に納得がいかない場合は、最善手に従って手を進めてみましょう。
そうすると・・・
・進んだ先に駒損があったり
・不利な展開になっている
ということが明らかになります。
チェスの原則を参考にする
チェスには指すべき手、指さないほうが良い手があります。
多くの場面において使えるチェスにおける原則に従った手なのかを確認すると、手の良し悪しを理解するのに役立ちます。
チェス始めたばかり、初心者の場合はこの原則に従った手をまずは指してみることをおすすめします。
※注意:すべての局面で適用できるわけではないので、最終的には自分で判断が必要です。
チェスの守った方が良い原則については以下の記事で紹介しています。
考えてもわからない時
もし可能ならよりレベルの高い人に教えてもらうとよいでしょう。
・・・とはいってもそれができる人は少数だと思います。
なので・・・
自分でよく考えてもわからない時は、すべてを無理に理解しようとしなくてもOKです。
タイトルプレイヤーでも見つけられない高度な手をstockfishが提案してくる場合もあるので割り切りが大切です。
「ピースをタダで取られた」など、大きなミスから1つずつ対処していきましょう。
大きなミスがなくなってきてから、徐々に細かい所のチェックをしていくようにするのをおすすめします。
大きなミス減った頃には、以前にはなかった理解力がついているので細かい部分を理解しやすくなっています。
例えば何かを勉強していてわからない部分が出てきたとき、一旦放置して先に進み、しばらくして戻ってくるとなぜか理解でるようになっていることもありますね。
ときには割り切りも必要です。
見直した後は・・・
対局で知ったこと、気づいたことをノートやPC、スマホなどに残しておきましょう。
後で再び振り返れば重要なポイントを記憶に定着させやすくなります。
また、時間がたった後に振り返れば「あの頃はこんなことを考えていたのか」と、自分の成長に気づけるのでモチベーションの維持にもつながります!
さいごに
■勝った対局を見直す
対局後の検討は実力アップに役立つ重要な部分ですが、負けた後など振り返りたくないときもあります。
そんな時は、勝った対局を見直してもOKです。勝った対局の見直しなら気楽にできますね。
勝った対局のなかでも、こうすればもっと楽に勝てたという動きが見つけられれば成長につながります。
■負けた対局を見直す
負けた対局を見直すとより多くの収穫が得られます。
負けからは確実に改善ポイントが見つかるので実力アップに必ず役に立ちます。
対局を振り返る場合は、翌日に振り返るという手もあります。
翌日になれば結果を受け入れ、直後よりは「振り返ってみよう」気持ちになりやすいです。
今回は対局後のゲームの振り返り方を紹介しました。
振り返りは気が進まないときもあるかも知れませんが、必ず得るものがある勉強方法です。
レベルアップしたい人は対局後に見直しをしましょう!😊