ジョババ・ロンドンシステム/Jobava London System【チェス定跡】

ジョババ・ロンドンシステム/Jobava London System【チェス定跡】
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ジョババ・ロンドンシステムの特徴は?

グランドマスターのBaadur Jobavaが使用して普及させた初手d4のシステムタイプのオープニングです。
覚えることをできるだけ減らしたい、オープニングを勉強する時間がないという人におすすめ。

また、近年見直されたオープニングなので、有名なe4オープニングのように何十手も知っておく必要もなく記憶勝負をしたくないという人にもおすすめ。

クイーンサイドにフライドリバーアタックのような攻撃を仕掛ける武器も持っています。
よくある流れと、そこから外れたときに有利になれる立ち回りをご紹介します。

<典型的なジョババロンドンシステムの駒組み>
初心者であればこの形だけ知っておくだけでも十分遊べます!

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ジョババ・ロンドンシステムよくある流れ

初手~ 4. e3まで

「ジョババ・ロンドンシステムよくある流れ」まとめの盤面へジャンプ

ジョババロンドンシステムは初手d4のオープニングです。


黒:初手d4に対して最もよくある応答がd5。中央支配をお互いに狙っています。
白:ロンドンシステムと異なるNc3がジョババロンドンシステムの特徴。ナイトを先に出しておくことで、後述する黒番クイーンサイドへの脅威になりえます。


黒:ナイトを展開しd5をサポート。
白:ジョババロンドンシステムの特徴であるビショップの展開。e3とポーンを突く前にビショップを外に出しておくことで、ビショップは自陣に閉じ込められず有効に動けるようになります。これはジョババロンドンシステム以外にも一般的に言われていることで、ビショップを有効に使う手段です。


黒:中央を固め、ダークスクエアビショップの道を開きます。
白:e3によりライトスクエアビショップの道を開きつつ中央を固め、ジョババロンドンシステム特有の駒組みが完成しました。

(クリックで開閉)もしここで3…Nc6としてきたら? ポーン得。

4. Nb5が好手。
ビショップとナイトでc7の地点を狙い、ナイトによるフォークのチャンスがあります。


黒:ポーンでビショップの利きを防ごうとします。
白:ポーンでテイクバック。c7への道は塞がれました。


白:ナイトを逃がす場所によっては以下のクイーンサクリファイスでポーン得ができます。
一見クイーンがタダに見えますがうまい手があります。


黒:クイーンをキャプチャ。
白:ナイトのフォーク。この後クイーンをテイクバック。
ポーンの数で3ポイントリードできており、かつ相手のキングのキャスリングの権利もなくすことができました。かなり大きな戦果です。

(クリックで開閉)もしここで3…Bf5としてきたら? 相手ビショップを利用する。

出てきたビショップを利用してキングサイドのスペース拡大を狙えます。


白:g4としてビショップを攻撃しテンポを得ます。
※「テンポを得る」とは簡単に言えば自分のターンを得ること。相手に好きな手を指させる時間を与えないこと。
チェスではテンポを得るという考え方が非常に重要です。


黒:ビショップは逃げるしかありません。
白:スペース拡大しつつビショップのトラップを狙う手。


黒:ビショップの逃げ道の確保。
白:ビショップを追い回したことにより、キングサイドポーンを進めつつ、h6という弱点になる動きも引き出せました。

(クリックで開閉)もしここで3…c5としてきたら? クイーンサイドを乱せる。

黒:3…c5
白:いつも通りe3とします。(後の動きへのサポートの意図もあり)


白:Nb5とフライドリバーアタックのように狙います。


黒:ナイトでc7地点を守りますが、ナイトが「守りにしか使えていない+端にいる」状態になります。
白:一方で白はナイトを敵陣に送りつつ、ロンドンシステム特有の固いポーン構造もつくれています。

補足:b5のナイトは黒番のナイトを守りに専念させ、加えてルークもa7のポーンを守りに専念させています。1つのピースで2つのピースの行動を制限できており、このb5のナイトはかなり有効に働いていると言えます。

4… Bd6~


黒:白番ビショップを無効化するためにビショップを展開してくることがよくあります。c7へのフライドリバーアタック的攻撃を恐れているためです。
白:かまわずナイト展開を優先し、e5への進出を狙っています。


黒:ビショップをキャプチャ。
白:特に取られても問題ありません。ポーンで中央、特にe5を支配できています。


黒:キャスリングでキングの安全を確保。


黒:白番ビショップの脅威がなくなったのでナイトを展開。
白:ビショップを展開しキングサイドへを狙います。


白:ポーンに守られた理想の位置(e5)へナイトを配置し、相手側へ仕掛けやすくします。
盤面を中央で切り分けた時、相手側の半分に入っていくことが攻め狙いの一つです。
相手側の半分に配置できれば駒を相手陣内へ利かせることができます。
行動の制限ができたりタクティクスのチャンスがうまれます。


黒:ナイトを邪魔に思うためキャプチャしてくるでしょう。
白:ポーンでテイクバックするため、キングサイドを守っているナイトは逃げざるを得ません。


白:あとは中央のe5にポーンがあることを活かし、ポーンストームや他ピースを使って攻めていきます。


ジョババ・ロンドンシステム ここまでの流れ

クイーンサイドへのクイーンでの攻撃をどう止めるか

ジョババロンドンシステムはビショップが展開された後戻ることができません。
そのためクイーンにbファイルを狙われることがあります。


しかし、うまい対応があります。まずナイトで攻撃しつつbポーンを守ります。


黒:チェックしながらフォークをかけてきます。
白:ポーンで攻撃しつつ、クイーンの道を開けナイトを同時に守っています。


クイーンが逃げますがさらにポーンで追撃。


クイーンは結局何もできず白番の駒展開を許しただけで元の場所にもどります。
相手が不注意な場合、c7に戻るブランダーの可能性もあります。通常ここには駒の利きがありませんが、ここでは白番のビショップが狙っています。

まとめ

ジョババ・ロンドンシステムはシステムタイプのオープニングなので、特徴的な形だけ覚えればすぐ実戦で手軽に使えます。

中盤は独特な構造になりやすいため、どのように動けばよいか自分の頭で考えるトレーニングになるオープニングだと言えます。

e4オープニングに飽きた人で初手d4に触れてみたい人は使ってみてはいかがでしょうか。

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オープニング(定跡)
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