ニムゾ・ラーセン・アタック/Nimzowitsch-Larsen Attack【チェス定跡】

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はじめに

ニムゾラーセンアタックは、初手b3で始まる柔軟なオープニングです。

ラーセンオープニング(Larsen’s Opening)とも呼ばれます。

クイーンサイドのフィアンケットビショップを、センターや相手のキングサイドに利かせる攻撃的な狙いがあります。

使用率の低いオープニングなので、相手が対策している可能性は他のオープニングより低いです。

ハイパーモダンなオープニングであり、ピースで中央を支配する狙いであるため、ポーンなども活用して相手のセンターを安定させないことを意識して戦えば良い戦いができます。

「相手のセンターに挑戦していく戦い方」を試す練習にも使えるオープニングです。

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よくある流れ(1… e5)

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一番良く指されるのがモダンバリエーションです。(1… e5)

黒:初手b3。
使用率は約1%です。(Lichessデータより)


黒:最も一般的な応手はe5。利きを止めてフィアンケットビショップを効果的に使わせない狙い。
白:ビショップをフィアンケットしてe5ポーンやキングサイドに利かせるのが、このオープニングの狙いです。黒マスを支配することを意識するとよいでしょう。


黒:ポーンを守る手。
白:e3はこの後のビショップ展開やセンターへのポーンブレイクに役立つ手です。


ポーンブレイクについては以下で解説しています。

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センターを2つのポーンで支配してきた場合(4… d4)

黒:d5は、白がセンターを取らないならポーン2つで支配しようという狙い。一般的にポーン2つでセンターを支配するのが強いと言われます。
白:白マスビショップを展開してナイトを狙います。ナイトはe5を守っているので、ナイトがなくなるとe5が守られなくなり、フィアンケットしたビショップがポーンをタダ取りできます。


黒:ナイトを取られてもe4ポーンが守られるようにビショップで守りの追加。
白:f4はe4に攻撃を加える一手。ビショップの利きを通すためポーンブレイクを狙う考え方は、このオープニングに限らず覚えておくと役立ちます。

相手がポーンを取ってきたら(5… exf4??)

フィアンケットビショップが活躍し、駒得できます。


ただし、その後のチェックには注意しましょう。
キングを逃がし、クイーン交換を狙います。落ち着いてからビショップでルークを取ればOKです。


黒:ポーンを取れないので、守ってきます。
白:展開しつつ守られていないd5ポーンを狙います。


黒:d5を守るナイト展開。
白:中央のポーンを交換します。


白:クイーン展開しつつチェック。


白:ポーンを突かせ、キングサイドの弱点を生み出せました。


おたがいキャスリングして、


相手は白のクイーンが攻めに利いているので交換を狙ってきます。


白:ここでe4とセンターを崩す狙いを忘れないのが重要。相手のポーンが中央にきれいに横並びに並んでいるときは、「形を崩したい」と考えるようにしましょう。良い手を思いつく可能性が高まります。


孤立したポーンはポーンによって守られないので弱点になります。

よくある流れ(1… e5)のまとめ:

ポーンでe5ポーンを守ってきたら(4… d6)

ポーンでe5ポーンを守ってきたら(4… d6)のまとめへジャンプ

白:dポーンをまだ動かしていないパターン。ナイトを取り除けばe5ポーンの守りがなくなります。


黒:e5ポーンを守るためのd6。
白:ナイト展開。この後のポーンブレイクのサポートの役割。

ビショップで守ってきたら(4… Bd6)

この流れになる可能性は比較的低いですが、知っておくと面白いです。
ただし、優先度は低いです。手軽に遊びたい場合は気にしなくてもよいでしょう。

白:ビショップを攻撃するためにa3にナイトを展開しています。一般的に端にナイトを展開することはよくないと言われますが、明確な狙いがある場合は問題ありません。


黒:ビショップを攻撃させないためナイトを端に展開しています。これもかなり特殊な動き。
白:ビショップを下げることでナイトでビショップを攻撃できる空きをつくりました。


黒:ナイトジャンプ先を奪う手。
白:cポーンを突くことでc2へナイトを持ってくる手。

この後の流れの一例です。


白:センターへのポーンブレイク。


交換を進めていきます。


白:先にビショップを交換し、ブランダーを避けましょう。


白:ビショップとクイーンが黒マスを支配できています。


それぞれ展開を進めます。


白:キングサイドのポーンストームを仕掛けていけば、攻撃を楽しめる展開になります。

ポーンでe5ポーンを守ってきたら(4… d6)まとめ:

よくある流れ(1… d5)

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次に多いのがクラシカルバリエーションです。(1… d5)

白:ビショップをフィアンケットし、センターやキングサイドの黒マスに利かせています。


黒:c5として、黒はd4へポーンを進められる様になっており、白番のフィアンケットビショップを止める準備ができています。
白:ポーンを進ませないようにしつつ、白マスビショップの展開の道を開きます。


黒:ナイトを展開してセンターの黒マスの支配。
白:ビショップによる絶対ピンでナイトによるセンターの支配が無効化されます。


黒:ビショップによるアンピン。ピンがなくなりナイトの利きが戻ります。
白:ナイト展開。e5へのジャンプを後々狙います。


白:キャスリングでキングの安全を確保。


黒:黒マスビショップの道を開けつつd5ポーンを守る手。
白:相手のナイトと交換することで、e5地点の相手の利きがなくなりました。


白:守られなくなったe5にナイトを配置。


黒:ビショップを守るためのルーク展開。
白:ビショップの利きをふさがないようd3へポーンを配置。ナイトを展開する場所にもなっています。


白:ナイトをサポートしつつ、キングサイドへクイーンやルークを移動させる道をつくる手。


黒:キャスリング。
白:狙っていたナイト展開。この後はクイーンやルークをキングサイドに移動させたり、フィアンケットビショップの利き、クイーンサイドにあるルークなどもキングサイドでの攻撃に参加させることを考えていきましょう。


よくある流れ(1… d5)まとめ:

GMによる対局例

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グランドマスターたちによる対局例を見ていきましょう。

Nakamura 2793 – Kosteniuk 2541
2017年


Finegold 2505 – Sevillano 2502
2012年


Nihal 2688 – Grigoriants 2562
2023年 Titled Tuesday


Nakamura 2787 – Gedajlovic 2403
2023年 Speed Chess Q2 Sw

さいごに

初手e4・d4などの王道に飽きてきたら、初手b3のニムゾラーセンは良い気分転換になります。

ポーンで中央を支配する戦い方ではなく、相手が支配するセンターを崩していくという感覚も持てるようになると戦い方の幅が広がります。

ブリッツなど、持ち時間の短い対局で使うとなかなかおもしろいですよ!😊

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