ポーンエンディングとは?
ポーンエンディングとは、チェスにおいて「キングとポーンだけ」が存在するエンドゲーム(終盤)のことです。
ポーンエンディングを理解できれば、たった1つポーンが多いだけでも勝てる確率が上がります。
この記事では基本的なものを紹介します!

オポジションとは?
「オポジション」は、チェスのエンドゲーム(終盤)で非常によく出てくる考え方です。
下図のようにキングが1マスはさんで相手のキングの正面にある状態をオポジション(Opposition)といいます。
以下の解説でも「オポジション」の考え方を使って説明していきます。
<オポジションの例>
次が相手の手番なら、相手キングはこちらのキングの正面から動くしかないという性質があります。

スクエアルール
ポーンがクイーンになれるかどうかを簡単に確認する方法があります。
スクエアルールです。
以下の例ではキングに取られずにポーンのプロモーションできるでしょうか?
<例1:プロモーションできる?>

手順1:ポーンが動いた後に斜めにラインを引きます。

手順2:その斜めのラインを対角線とした正方形をつくります。
次の手で黒のキングがこの中に入れなければプロモーションできます。
この場合相手のキングは正方形の中に入れないのでプロモーションを止められません。

例1の動き:
別の例も見てみましょう。
<例2:プロモーションできる?>

正方形を描くと、次の手でキングが枠内に入れるので取られてしまうとわかります。

例2の動き:
プロモーションさせて、「クイーン+キング vs キング」にできれば、必ず勝てます。
クイーンを使ってチェックメイトまで持っていく方法は下記記事で解説しています。
7thランクのポーン
あと一歩でプロモーションできそうです。
次に黒が動く番なら、白の勝ちです。

青の部分は白が攻撃しているので、黒は1箇所しか動けません。

白はキングを近づけてd8に相手が戻れないようにします。

プロモーションできました!

(クリックで開閉) もし同じ局面で白が動く番ならドローになります
白はd6以外に動くとポーンを取られてしまうので、d6に動くことにします。

すると、次に黒番のキングは動く場所がなくなってステイルメイトとなり、ドローとなります。
局面が同じでも、どちらが先に動くかで結果が変わってしまいます。

6thランクのポーン
6thランクにポーンがあるときは、オポジションをとることを検討しましょう。
<どちらに行くのが正解でしょうか?>

オポジションをとった時(6th)
白:オポジションを取れば勝ちになります。

黒:ポーンを進ませないために近づいていきます。
白:続けてオポジションをとります。

黒:ポーンを妨害するために正面に入ります。
白:ポーンを進めます。後は7thの項目と同様の流れになり、プロモーションできます。

オポジションをとらなかった時(6th)
白:オポジションをとらないとドローになってしまいます!

黒にオポジションをとられてしまいました。

白:ポーンを進めようとしますが・・・

キングに止められるのでステイルメイトにするしかなく、ドローとなります。(7thランクの項目と同様)

5thランクのポーン
以下の局面では、白黒どちらが先に動く場合でも白が勝ちです。

黒が先に動く場合(5th)
黒:黒のキングはオポジションを取られているので、左右どちらかに動くしかありません。
白:相手キングが横にずれたことで、回り込めるマスができました。

黒:黒番はポーンの通り道を攻撃しようとします。
白:白のキングは青丸部分を守っているので、ポーンを進ませるだけでプロモーションできます!

白が先に動く場合(5th)
白:白が先でも白の勝ち。
オポジションを取られているので、左右どちらかに動くしかありません。

白:構わずポーンをプッシュするだけでOK。

白:青丸部分は白が攻撃しているので黒は侵入できません。

白:キングでプロモーションの場所を守って次の手番でプロモーションできます。

ポーンが2ndランクにあるとき
次が黒の手番なら、白の勝ちです。
次が白の手番なら、ドローになります。

黒:黒はオポジションを取られているので、左右どちらかに動くしかありません。
白:黒が横に動いたことにより、斜め前に回り込めます。

黒:ポーンの正面に立つために中央に戻ってきます。
白:オポジションをとります。

その後は、
オポジション→
相手キングが横に動く→
自分のキングを斜め前に進める→
オポジション→・・・
と繰り返していきます。





白:盤面端まで行った後はポーンを進めます。

黒:ポーンを取ろうと近づいてきます。
白:キングを近づけて、青丸部分を安全にポーンが進めるようにサポートします。

白:ポーンを前進。

白:オポジションをとるこの場面は、「5thランクのポーン」の項目で解説したとおり白はプロモーションできます。

練習用サイト
chess.comで基本的なポーンエンディングの練習ができます。
こちらのページです。

さいごに
ポーンエンディングの基礎を知っておけば、知らない人に明確な差をつけることができます。
エンドゲームはさらに深く学ぶことは多くありますが、導入としてこれらを押さえておけば初心者であれば十分遊べるレベルになります。
「エンドゲームは大切だと聞くけど、何をしたらよいかわからない」という人は、ここで解説したポーンをプロモーションさせる方法を最初に身につけてみてください!