ポーンレースとは?
白黒お互いがポーンをプロモーションさせようとしている局面のことです。
ここで比較的単純なポーンレースについて、読みを楽にする方法の一例を紹介します。
どちらが先にプロモーションできるかが勝敗を分けるので重要なポイントです。
※注意※
お互いがポーンの進行に影響を及ぼさない単純な場合に限った方法です。
お互いが干渉し合う局面ではこの単純な方法は使えないのでご注意ください!
手数を単純比較する
お互いに途中で邪魔をしない局面について考えてみます。
白は青のポーン、黒は緑のポーンをプロモーションさせることにします。
やり方
手は自分の動きから数え始めるとします。
■手順
1:自分が何手でプロモーションできるか数えます。
2:次に相手のプロモーションまでの手数を数えます。
3:相手の手数から自分の手数を引きます。(相手 – 自分)
4パターンの結果があるので以下で紹介します。
相手-自分=1以上 【自分だけプロモーション】
相手-自分=1以上の場合、
自分だけ先にプロモーションできます。
<例1>
白は2手でプロモーション。
黒は3手かかります。
白2手、黒3手。
3ー2=1。
自分だけプロモーションできるとわかります。
相手-自分=1以上 【自分だけプロモーション】:
相手-自分=0 【自分が先にプロモーション】
相手-自分=0の場合、
自分が先にプロモーションできます。相手は直後にプロモーションします。
<例2>
白は3手。
黒も3手。
白3手、黒3手。
3ー3=0。
白がプロモーションを先にし、黒が後からプロモーションできるとわかります。
この局面では先に白がプロモーションしたことで、黒のクイーンを取れました!
相手-自分=0 【自分が先にプロモーション】:
相手-自分=-1 【相手が先にプロモーション】
相手-自分=-1の場合、
相手が先にプロモーションできます。自分は直後にプロモーションします。
<例3>
白4手、黒3手。
3ー4=ー1。
白は後からプロモーションします。
この場合は黒のほうが早いので取られてしまいます。
相手-自分=-1 【相手が先にプロモーション】:
相手-自分=-2以下 【相手だけプロモーション】
相手-自分=-2の場合、
相手だけが先にプロモーションできます。
<例3>
白5手、黒3手。
3ー5= ー2。
黒だけプロモーションしているとわかります。
相手-自分=-2以下 【相手だけプロモーション】:
練習問題
白先手で、お互いのポーンのどちらが先にプロモーションできるか考えてみましょう。
今回はキングの動きも含みます。
答え:
キングの動きを含めて、白5手、黒6手。
6ー5=1。
白だけが先にプロモーションできます。
より複雑な局面では、お互いが干渉し合わないところまで読んだ後、残りをこのやり方で読めば難しい読みの補助になります。
あわせて確認すべきこと
プロモーションした後に、
・クイーンがキングをチェックしていないか
・クイーンが相手のプロモーションのマスを攻撃していないか
・先手を取れることによるタクティクスがないか
を確認しておきましょう。
後からのプロモーションであってもチェックで先手を取れたり、妨害できると勝ち負けが変わってきます。
練習できるサイト
Lichessのポーンエンドゲームがおすすめです。
ポーンレースに関わる問題が出てくることがあります。
ポーンレースだけでなく、総合的なポーンエンドゲームの練習にもなります。
さいごに
単純な例であれば、片方ずつ計算すると比較的に簡単にプロモーションはどちらが早いか、タイミングはどうなるかがわかります。
ポーンレースの手数が増えるとわかりにくくなるので、やりやすい方法を覚えておくと役に立つはずです。
持ち時間があるときに別の読みの方法と合わせることで検算にも使えます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。😊