ビエナ・ゲーム/Vienna game【チェス定跡】

ビエナ・ゲーム/Vienna game【チェス定跡】
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ビエナ・ゲーム/Vienna gameの特徴・狙いは?

初手e4、2手目に変化をつけるビエナゲーム/Vienna game+ビエナギャンビット/Vienna gambitをご紹介します。
fポーンを攻撃に利用するためにキングサイドのナイトをf3に展開しないのが特徴。
ペトロフ・ディフェンスなどの主要なラインを避けることができます。

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ビエナ・ゲーム/Vienna gameのよくある流れは?

初手、2手目まで

白:初手e4で始まります。


黒:初手e4に対して一般的なe5の応答。
白:通常は逆のナイトを展開するNf3が一般的ですが、ビエナゲームではNc3とします。
後でfポーンを使って攻撃するのでナイトでfポーンを邪魔しない意図があります。

★ミーゼス・バリエーション(Mieses Variation) 3. g3

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黒番の2手目から続けます。
黒:e4に圧力をかけるNf6。
白:g3でフィアンケットの準備。これがミーゼス・バリエーションの特徴。

(クリックで開閉) ここで3… d5と中央を攻められたら?

有利になれるラインがあります。

ポーン交換をしていきます。
こちらはマイナーピース展開を構わず進めます。


ポーンによるテイクバックは中央に向かってします。これも基本。
ダブルポーンになるのは良くないと思うかもしれませんが、ダブルポーンにはメリットもあります。
ここではbファイルがオープンになりルークを攻撃に使えます。


ルークを活用するためセミオープンファイルへ移動。


それぞれ駒展開、キャスリングしていきます。


黒:ビショップを展開するとb7が守られなくなるので、ルークで守ろうとします。
しかしこれが悪手。
白:セミオープンファイルのルークがポーンをピンしていることでナイトをタダ取りできました。
一見わかりにくいタクティクスですが、「セミオープンファイルとビショップの組み合わせでタクティクスがある」と覚えておけば対局中に見つけやすくなります。


黒:ビショップをテイクバック。
白:ルークを取れるので黒を大きくリードできます。


黒:逆側のナイトも展開。一般にビショップよりもナイトを先に展開するのが良いとされています。
白:ビショップをフィアンケットします。(Bg2) e4のポーンをサポートしています。


黒:白の急所、f2地点を狙うビショップの展開。
白:fポーンの邪魔をしないためにe2へナイトを展開します。プッシュした後のポーンのサポート役にもなっています。


黒:キングの安全を確保するためキャスリング。
白:こちらも同様。キングの安全確保はオープニングを進める上での優先事項です。


黒:ライトスクエアビショップの道を開いています。
白:ライトスクエアビショップでピンされたくないので予防(プロフィラクシス, prophylaxis)のためh3としてg4地点を守ります。


黒:ピンができないので比較的アクティブなe6にビショップを配置。
白:ダークスクエアビショップの道を開きつつe4ポーンのサポート。


黒:クイーンをd7とし、ルーク同士がお互いを守る形になっています。これも一般的なオープニングの基本。
白:f2-f4とポーンを突くためにc5のビショップからのピンから逃げます。


黒:白番のダークスクエアビショップの展開を嫌った予防のポーンムーブ。
白:f4でキングサイドへの攻撃を開始します。キングをピンから逃したことでfポーンを動かせるようになっています。

ここまで理想的に進んだ場合、Lichessレート1,200~2,000では勝率70%となっています。

ミーゼスバリエーションまとめ:

ビエナ・ギャンビット/Vienna gambit 3. f4

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相手がギャンビットを受け入れるとこちら有利に展開できます。
1ポーンの損と引き換えに相手のピース展開を妨害しつつ、こちらは有利に駒展開を進めていけます。

3手目から開始します。(1. e4 1… e5 2. Nc3 2… Nf6までは上のミーゼスバリエーションと同じ)
白:3. f4でギャンビットを開始します。


黒:ポーンをテイク。ほんの1手ですがこれが展開に大きく影響してきます。
白:相手のポーンテイクの後、ポーンプッシュがシンプルに強力。
赤丸の部分はナイトとクイーンが支配しているので、相手のナイトは初期位置に戻るしかありません。

ポーンを取ってこなかったら?(3… d6) ポーン得できる可能性。

e5をめぐっての攻防となり、e5を攻撃するための自然な駒展開からポーン得できる可能性があります。
黒:d5でe5をサポート。
白:e5への圧力をナイトで強めます。


黒:e5を守る自然なナイト展開。
白:キングへのピンによりe5への利きを無効化します。


黒:ビショップによりアンピン(ピンの無効化)します。これで一時的にe5をナイトが守れるようになりました。
白:e4のサポートしながらダークスクエアビショップの道を開きます。


黒:ビショップを展開しキャスリングの準備。
白:ここでビショップとナイトを交換することにより、e5の攻防の比率が「攻め : 守り = 2 : 1」となっているのがわかります。ピンしていたビショップが相手の守りを減らす大きな役割を果たしています。

白のポーン得となりました。相手の中央ポーンがなくなりこちらはポーンが中央支配しており、白が十分なポジションになっています。


黒:ナイトを戻すしかありません。
白:クイーンでのチェックを防ぐためにナイト展開が重要。キングズギャンビットなどと同様にfポーンを上げるオープニングはh4へのクイーン侵入対策が必要です。


黒:e5に白番のポーンがいると自然なナイト展開ができないのでポーン交換を持ちかけます。
白:中央をサポート+ビショップの道を開くためにd4とします。


黒:白番の中央支配を弱めるためポーンテイク。
白:クイーンでポーンをキングへピンすることでe5のポーンがキャプチャできなくしています。
攻防一体の手です。ピンを使って守る考え方、このオープニングに限らず応用が利きます。


黒:自然なナイト展開。
白:ここでもキングへのピンを活かしてビショップを展開します。一見ポーンに取られそうで怖いと思うかもしれませんが、ピンの効果を見極められるようになると問題がないとわかります。ベストの選択肢を取れるようにパターンに慣れていきましょう。


黒:ビショップでアンピン。
白:ポーンをテイク。白はピース展開で大幅にリードできています。e5のポーンが相手ナイトの自然な展開先を奪っているのも大きいです。

ビエナギャンビットまとめ:

まとめ

ビエナギャンビットはfポーンを利用して攻撃するため、攻撃的に展開を進めることができます。一方でfポーンを使用するのはキングサイドに弱点を作ることにもなるので、ナイトを使うなど適切な対応が必要になります。

ミーゼス・バリエーションではチェスの基本に忠実に「中央支配、駒展開、キャスリング」ができ、駒組みもし易いので決まった手順を取りたい方におすすめです。

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