ポーンストーム・マイノリティアタックとは?【チェス】

はじめに

ポーンストーム(Pawn storm)とマイノリティアタック(Minority attack)について解説します。

ポーンストームは「キャスリングしたキングを攻めるために頻繁に使われる強力な武器」です。

マイノリティアタックは、「ポーン少数で相手のポーン構造を乱す手段」です。

ポーンを使った攻撃を身につけて、相手をチェックメイトするための攻撃力やテクニックを手に入れましょう!

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この記事を読むとわかること

・多くのポーンを使った攻撃方法
・多くのポーンを使った攻撃から自分を守る方法
・少ないポーンで相手に仕掛ける方法

ポーンストームとは?

ポーンストームとは2つ以上のポーンを使って相手側に攻撃を仕掛ける戦略を言います。
キャスリングしたキングを攻めるのによく使われます。

ポーンストームの目的はいくつかあります。

<ポーンストームの目的>
相手のポーンと自分のポーンを交換してオープンファイルを確保し、自分のピース(ルークやクイーンなど)を攻撃に参加できるようにすること。
・自陣のスペースを確保すること
・マテリアル(駒)の獲得

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ポーンストームを使って攻める方法

ポーンストームを成功させるには、いくつかポイントがありそれを押さえれば成功させやすくなります。

<成功させるためのポイントの例>
・相手と同じサイドにキャスリングしない。
・相手陣に最終的にポーンで攻撃を仕掛ける際に、可能なら相手の2つの駒をフォーク(同時攻撃)する。

(クリックで開閉)Q:なぜ相手と同じサイドにキャスリングしないの?

同じサイドにキャスリングすると、ポーンストームを仕掛けると下図のようにキングの守りが弱体化してしまうためです。

(クリックで開閉)Q:なぜ相手陣に最終的にポーンで攻撃を仕掛ける際に、相手の2つの駒をフォーク(同時攻撃)するの?


フォークすれば少なくともどちらかのファイルを開くことができるからです。
黒番が片方を前進させてきてももう一方はテイクできます。


また、以下の状況ではgまたはhポーンのどちらをプッシュしても、ファイルを開けません。


hポーンを突かれてファイルを開けません。ロックされてしまいます。
プッシュする前に相手にロックされないかも確認して手を進めましょう。


こちらも同様にgポーンを突かれてファイルを開けません。

ポーンストームをされる側の対応

相手にポーンストームを開始されたらどうすればよいでしょうか。

<ポーンストームをされる側の選択肢>
・ポーンストームされるキング前をできるだけ形を崩さないでおく。
 →相手ポーンの到達に多くの手数をかけさせ、カウンターの時間を確保するため。

・逆サイドにポーンストームを仕掛ける。カウンターを行う。
 →守っているだけでは防戦一方となるため、相手のキングを攻めていく必要があります。

・ポーンストームで攻められた場合、ファイルをできるだけ開かないように守る。
 →ポーンストームの目的はファイルを開いてルークたちを参加させることにあります。
  相手のポーンをできるだけ交換させずにブロックできれば相手の攻撃を防げます。

・ポーンストームでキング前を破られた時は、最終手段として相手ポーンをブロッケードとして守りに使う。
 →下記のように相手ポーンを使ってキングを守ることができます。相手は自分のポーンをキャプチャできないことを利用しています。

実際の対局でよくある展開

オポジットサイドキャスリング(相手とは逆サイドにキャスリング)すると、お互いのクイーンサイドのポーンを使って攻め合いになり激しい展開になります。

どちらが先にチェックメイトできるかの競争になります。

マイノリティアタックとは?

マイノリティアタック(Minority attack)とは、「相手よりポーンの数は少ないが、その少ないポーンを活用して相手のポーン構造を乱して弱点を作り出そうとする戦略」のことです。

少し難し目の考え方なので、初心者のうちは知らなくても大丈夫です。

<簡単に表すとこのような動き>
2つのポーンを使って相手cポーンに攻撃を仕掛けています。

マイノリティアタックはクイーンズ・ギャンビット・ディクラインド(QGD)のエクスチェンジバリエーションカロカンのエクスチェンジバリエーションのポーン構造でよく出てきます。

オープニングに関わらず、少数のポーンを使って相手に問題を引き起こしたい時に有効な手段です。

相手のポーン構造が良く、なんとかしたいと思ったときには使えるか考えてみましょう!

マイノリティアタックのやり方

クイーンズ・ギャンビット・ディクラインド、エクスチェンジバリエーションの例で見てみます。
クイーンサイドにポーンが3vs2で白番のポーンは少数(Minority)です。


白:bポーンを前進させる準備。


白:bポーンを構わず前進させます。


白:aポーンでテイクバック。


白:bポーンで攻撃を仕掛けることで、ポーン構造を乱すことができます。


黒番が取ればb,dポーンはバラバラになります!
ポーン同士が守り合っていないので非常に弱い構造になりました。

(クリックで開閉) 取ってこない場合は?

白:自らテイク。


白:cポーンがバックワードポーンという弱点になります!赤丸地点にナイトを配置したり、cファイルからルークやクイーンで攻撃を狙えます。

(クリックで開閉) 前進させてきたら?


同様にポーンが孤立し、弱点が生まれます。

※ここでは分かりやすくするためにポーンだけの図で説明していますが、実際には必要に応じてbファイルにルークを配置してbポーンのサポートをしてやることも必要になってきます。

まとめ

・中盤の攻め方の1つにポーンストームがあり、重要な攻撃手段となります。
実際の対局では相手の動きもあるので教科書通りの展開にはならないかもしれませんが、意図を持ってポーンストームを仕掛けていければ攻撃的な面白いチェスを楽しめるはずです。

・マイノリティアタックは若干高度な考え方の戦略ですが、QGDやカロカンを指す人は知っておくと中盤での選択肢が1つ増えます。

2つの考え方を使って中盤を有利に進めていきましょう!

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