はじめに

●ツークツワンク(Zugzwang)とは・・・
「指すことで状況が悪化するため、できれば手を指したくないのに、指さなければならない状況」
のことです。
●特にエンドゲーム(終盤)で勝ち負けに直結することがあります。
言葉だけだと少しわかりにくいと思うので、実例を見てみましょう。
ちなみに、Zugzwang(ツークツワンク)はドイツ語
Zugzwang(ツークツワング)はドイツ語で、
- Zug = 「手(move)」
- Zwang = 「強制、圧力(compulsion, obligation)」
という2つの単語からできています。
したがって、「Zugzwang」は直訳すると「手を指すことを強いられる状態」という意味です。
ツークツワンクの例
例1
例えば、以下のような局面でポーンをプロモーションさせるときに発生します。
この状態はツークツワンクと言えます。
なぜか?

赤の部分は白が攻撃しているので、黒は1箇所しか動けません。
パスはできないので悪い手を指さなくてはいけません!

白はキングを進めて、相手キングが戻れないようにします。

プロモーションできました!
ツークツワンクが役に立った一例でした。

例1まとめ:
プロモーションのさせ方については以下の記事で解説しています。
例2
以下の例は非常に有名な形で、白は相手より後に◯の中に入れば勝ちという例です。
※白は青、黒は緑に入る狙い。

お互いこのような経路を考えます。
白が遠回りしているのは後から◯のマスに入ってツークツワンクにするため。

白:青の◯に向かって進んでいきます。

白:先に◯に入らないようにするのがポイント。
入ると逆に自分がツークツワンクの状態になってしまいます。

先に黒のポーンに触って、相手に守らせます。
黒は先に◯のマスに入らないといけません。

白:後から◯のマスに入りました。
黒:自分のターンなので動かないといけません。
緑の矢印のどの動きも黒のポーンを守れない動きになっています!
これが悪い手を指させる「ツークツワンク」です。

白:ポーンを取れました!

白:後はプロモーションさせるだけ。

例2まとめ:
動きを確認してみましょう。
さいごに
ツークツワンクは、チェスの「パスできない」というルールを使ったタクティクスです。
トランプで例えるなら、「ババ抜きで、ジョーカーを確定で引かされる状況」と言えるかもしれませんね。
勝ち負けを分けることもあり、とても重要なので考え方に慣れておくのをおすすめします。
ここまで読んでいただきありがとうございました!😊
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