はじめに
初心者のうちは「駒を展開するのが序盤は大切と言われるけど、具体的にどこに動かせばいいかわからない」という人が多いと思います。
特に初心者帯では、定跡からすぐに外れて独特な手が指されるので、何を指したら良いかわからなくなりがちです。
この記事では駒を具体的にどこに置けばよいかとその理由について解説します。
実戦での参考にしてみてくださいね。
※この記事ではわかりやすくするために、一番下の行を1行目、それから上に上がるにつれて2行目・・・3行目・・・4行目、5、6、7、8行目と表現しています。
基本的に配置したい場所
ピースの種類に関わらず大切にしたい考え方は3つあります。
中央
緑が中央、青が広い意味での中央です。
マイナーピース(ナイト・ビショップ)をこの枠内に入るように動かしましょう。
中央を攻撃できる場所
中央の外からでもOKです。
中央に攻撃が利いています。
駒が活きる場所
例えばナイトはボードの隅から2マス斜めに進んだ位置が基本的に良い位置です。
<良い例>
<あまり良くない例>
ナイト
ボードの隅から2マス斜めに進んだ位置がナイトには良い位置です。
中央の赤2マスに利いています。
基本的にはボードの端にナイトを置くのは良くない手です。
中央への攻撃ができていないからです。
特に理由もなく端に配置するのはやめておきましょう。
■ナイト展開のコツ
ナイトはポーンを除いたの駒の中で最も先に優先して展開したほうがよい駒です。
迷ったらナイト展開を考えましょう。
ビショップをサポートできたり、ルークが若干動けるようになったりたくさんのメリットがあります。
ビショップ
4行目に置けば中央を支配しつつ、相手のキング前の弱点を狙うこともできます。
様々なタクティクスも狙える位置です。
5行目に置くと、相手のナイトをピンできます。
相手のナイトとクイーン(またはキング)が並んでいる時、ビショップを使うと「ピン」ができます。
ナイトが動くとクイーンが取られるので相手はナイトを動かせません。
チェスにおいて「ピン」は最も重要であると言ってもいい動きです。
2行目に置くとピンを解除することもできます。
自分のビショップをナイトの後ろに置けばOK。守備的ですが良い手です。
ナイトを取られてもビショップで取り返せます。
3行目に置くと、相手がキングサイドキャスリングした時にキングに近いhポーンを狙えます。
タクティクスも狙える位置です。
●ビショップの展開のコツ
・自分のポーンたちの外側
または
・自分たちのポーンの隙間をビショップが通れる位置
に可能なら配置するとよいでしょう。
自分のビショップが自分のポーンに邪魔される場所はよくありません。
ビショップが働かないからです。
<ポーンの外側に置く!>
■ビショップ展開のコツ2
ビショップはナイトの後に展開するようにするとより安全です。
ナイトはビショップとよく連携できるので、ビショップがより安全に展開できます。
ルーク
オープンファイル(ポーンが1つもないファイルのこと)
または、
セミオープンファイル(ポーンが1つしかないファイルのこと)
に置くと効果的にルークを活かせます。
<セミオープンファイルにルークを置く例>
eファイル、dファイルに置き、相手のキングやクイーンの正面に配置するのもよいでしょう。
<ルークをクイーンの前に置く>
ルークはクイーンやキングより価値の低い駒なので、価値の高い駒を攻撃できる良い手です。
展開が進んでくると同じファイルにある駒が減っていき、自然に攻撃が相手に当たるため強力です。
1行目でルーク同士が守り合うようにするのも良い手です。
ルーク同士が守り合うことで、ルークをタダ取りされる危険性を下げられます。
また、ルークとルークの間に駒がないので1行目で自由にルークを移動できるメリットもあります。
<ルークをつなぐ>
■ルークの展開のコツ
ルークはボードの端からできるだけ早く開放するために、ナイト、ビショップを先にすばやく展開しましょう。
クイーン
2行目・3行目は比較的安全にクイーンを展開できる場所です。
できるだけ中央に近いほうがクイーンの利きを活かせます。
しかし、あまり前に出しすぎると相手の駒で攻撃されて逃げ回ることになります。
そこで基本的には2行目、もし可能なら3行目に序盤は配置しておくのがよいでしょう。
1行目から離れるのでルークを活かすことにもつながります。
<2行目に展開した例>
ルークを連携させることもできる良い手。
■クイーン展開のコツ
クイーンはナイトなど、より価値の低い駒からの攻撃に弱いです。
まずは自分のナイトやビショップを展開した後にクイーンの展開を考えるのがよいでしょう。
キング
ボードの四隅に置きましょう。
<キャスリングをしてキングを左隅に逃がしました!>
キャスリングを狙うのが良い動きです。
ボードの隅に置くと相手が攻撃しにくくなるためです。
キングが安全だと安心して戦いを始められます。
逆に中央に残したままだと相手の攻撃が直接届くので、攻めも守りもしにくくなります。
キャスリングする時にキングサイド、クイーンサイドへのキャスリングの2パターンがあります。
初心者のうちは迷ったらキングサイドへキャスリングするのをおすすめします。
■キング展開のコツ
戦いが始まる前にキャスリングできる場合は、基本キャスリングをしてキングの安全を確保しておくのをおすすめします。
さいごに
駒をどこに置いたらよいかイメージできましたか?
これらを基本にすればチェスを始めたばかりでも、どこに置けばいいか徐々に感覚がつかめてきます。
特に初心者のうちは、相手が定跡通りに指してこないことがよくあります。
見たことがない序盤の展開になった時、駒展開に迷ったときはぜひ参考にしてみてください!