ハラース・マクドネル・ギャンビットの特徴は？
ハラース・マクドネル・ギャンビットは、初手e4からd4ポーンを捨て、f4と突くことで、グリークギフトサクリファイスを狙える形にもなるオープニングです。
いつも使うオープニングとして使うのではなく、
・ギャンビットにより主導権を握ったまま攻めを継続するトレーニング
・グリーク・ギフト・サクリファイスの練習
として使うのをおすすめします。
グリークギフトの形を狙いつつも、グリークギフトサクリファイスの効果がない展開だとわかれば、そこから駒展開の良さを活かして戦っていきましょう。
ハラース・マクドネル・ギャンビットのよくある流れは？
ハラース・マクドネル・ギャンビットのまとめの盤面へジャンプ：
白：初手e4とするスタンダードな開始。
黒：e5は初手e4に対するよくある一手。
白：d4とポーンを突きます。
黒：ポーンをテイク。相手にポーンを取るように仕向けられた時、１つだけ取るなら大体問題ありません。
白：f4と突きます。これがハラース・マクドネル・ギャンビットです。
黒：ポーンの得を維持したいのでナイトで守ってくることが多いです。
白：ナイト展開をしつつ、ポーンを取り返したい意図があります。
黒：ビショップを展開してポーンを守ろうとします。
白：ビショップを通常とは若干違う位置に配置します。ここでの密かな狙いはこの後の攻めでグリークギフトサクリファイスを狙うことです。
グリークギフトサクリファイスについてはこの後説明します。
黒：自然なナイト展開をします。
白：キャスリングをしてキングの安全を確保します。
黒：相手も同様にキングの安全を確保するためにキャスリングをします。
白：ここでe5とポーンを突いて攻撃を仕掛けるのが良い手です。
黒：相手はナイトを逃がします。
白：ここでグリークギフトサクリファイス。キャスリングしたキングのルークポーンに対してビショップをサクリファイスすることを言います。
黒：ビショップをキングでテイク。
白：ナイトでチェックをしつつ、クイーンが通れる道を開けています。
グリークギフトサクリファイスはフォローが重要なのでそれを示します。
白：クイーンを近づけ、相手が何もしなければチェックメイトを狙える状態です。
黒：ルークを逃がしてキングの逃げ道を確保しようとします。
白：ここからクイーンでf7のポーンを先に取るのが典型的なパターンです。
白：再度チェックして・・・
白：キングをチェックで追っていきます。
白：白番のポーン、ナイト、クイーンがきれいにキングの逃げ道を塞いでチェックメイトできました。
f7を先に取っておいたことでクイーンの利きが通っています！
ハラース・マクドネル・ギャンビットのまとめ：
このオープニングで「グリークギフトサクリファイス」を成功させるポイント
グリークギフトサクリファイスは、条件が整った時に効果を発揮します。
なんとなくのサクリファイスではビショップを失うだけになりますのでポイントを知っておきましょう。
他のオープニングでもグリークギフトサクリファイスを狙うこともできますが、オープニングによっても注意するポイントが異なります。
ここではハラース・マクドネル・ギャンビットの場合について解説します。
相手がd6としていないこと
d6と突いていなければ相手の白マスビショップでクイーンの脅威を止められません。
＜成功パターン＞
dポーンが動いていないと、相手はビショップを守りに使えない。
＜失敗パターン＞
dポーンが進んでいて、e5を取ってこない場合は守られてしまいます。
相手の黒マスビショップがe7にいないこと
相手の黒マスビショップがe7にいるとナイトでのフォローができなくなります。
黒マスビショップがe7にいるときはグリークギフトサクリファイスの狙いを諦めて、通常のチェスをしましょう。
＜失敗パターン＞
e7にビショップがいるとナイトを取られてしまう。
※注意※
グリークギフトサクリファイスをするときは、サクリファイスした後のフォローが上手くいくか確認してから使うようにしましょう。
グリークギフトサクリファイスを狙えない時
狙いを切り替えて、コマの展開の良さを活かした通常のチェスに切り替えましょう。
チェスでは１つの狙いだけにこだわって他の考え方ができなくなるときがあります。
グリークギフトサクリファイスを諦めて別の計画を立てることは、対局中に柔軟に対応する練習にもなると思います。
さいごに
ハラース・マクドネル・ギャンビットは、
・攻撃的チェスを楽しみたい
・グリークギフトサクリファイスの練習をしたい
・ギャンビットによる勢いを生かした攻撃の練習をしたい
・タクティクスを絡めた攻撃をしたい
という人に使ってみてほしいオープニングです。
毎回グリークギフトサクリファイスができる展開になるわけではありませんが、楽しいアタッキングゲームができる可能性を秘めているオープニングです。
