最も有名なオープニング、ルイロペスに対する黒のオープニングです。
攻撃的な序盤が好きな方におすすめ。
シュリーマン・ディフェンスの特徴は?
ルイロペスに対して攻撃的な展開に持ち込みやすいオープニングです。
ルイロペスと分かってからすぐに仕掛けられるため、数をこなすことが比較的しやすく実戦経験を積みやすいところもいい点です。
シュリーマン・ディフェンスの流れは?
白:初手e4は最も一般的なチェスの初手。
黒:クラブレベルではe5が最も一般的な応手です。
白:ナイトを展開しe5ポーンを狙います。
黒:ナイトを展開しe5ポーンを守ります。非常に基本的な手順です。
白:ルイロペスのビショップ展開。ルイロペスはクラブレベルでも人気。
黒:f5と返すのがシュリーマン・ディフェンスです。Jaenisch Gambitとも呼ばれます。
この後、大まかに3パターンに別れます。
(※ルイ・ロペスの流れについてはルイロペスについての説明しているページもご覧ください。)
ポーンで取ってきた場合(4. exf5)
白:ポーンをテイク。
黒:ポーンを前進させてナイトを攻撃します。
白:ビショップとナイトの交換。ダブルポーンにする狙い。
黒:ポーンでテイクバック。
白:ポーンからナイトを逃がす一手。
黒:クイーンでナイトとポーンを狙います。
白:ナイトを守ってきます。
黒:ビショップでキングの移動先を攻撃することで相手のキャスリングを妨害できます。
そのため白番はキングサイドのルークを活用できないこと、キングが中央に晒されていることが大きなデメリットになっています。
この時点でLichessレート 1,200~2,000では黒は71%の勝率となっています。
ここまでの振り返り:
ナイトとの交換の場合(4. Bc6)
白:ナイトとの交換。
黒:ポーンでテイクバック。
白:フリーになっているe5ポーンをナイトでテイク。
黒:クイーンでポーンとナイト両取りを仕掛けます。
白:ナイトとクイーンを使ったタクティクスを狙って、ルークをテイクしようとクイーンを展開してきます。
黒:ポーンで追い返す狙い。
白:ナイトをサクリファイスして駒得する狙い。
黒:ポーンでテイクバック。クイーンがルークを守っているので黒はルークを取れません。
黒がナイトを得しただけです。
相手の考えているタクティクスを逆手に利用して悪手を引き出せる可能性のあるラインです。
ここまでの振り返り:
ポーンで守ってきた場合(4. d3)
白:e4を守るd3。
黒:e4をテイクします。
白:ポーンでテイクバック。
黒:自然なナイト展開をしつつe4を攻撃。
白:ナイトでe4を守る動き。
黒:守ってくるナイトをピンすることで、ナイトの利きが無効化されます。ナイトが動くとチェックとなるのでナイトは動けません。d4は黒がテイクできるようになっています。
白:キャスリングによりアンピン。キャスリングによりピンを無効化してナイトの利きが復活します。よく使われるピンから逃れる方法の1つです。
黒:ピンが外れたので、e4への利きを完全になくすためにナイトを除去。
白:ポーンでテイクバック。
黒:ライトスクエアビショップの射線を開きつつ、e5を守ります。
白:ナイトをピン。
黒:キャスリングにより、ルークがハーフオープンファイルに入りました。攻撃できる態勢となりました。ポーンの数が少ない or ポーンがないファイルにルークを配置するとルークの力を活かせることがよくあります。
ルークの配置に迷ったらハーフオープンファイルかオープンファイルにルークを置いてみましょう。
その後の攻めのアイデアですが、下のようにクイーン・ルーク・ビショップを使って攻めを組み立てていくのが攻め方の一例です。
この時点で黒番の勝率は59%の実績となっています。
ここまでの振り返り:
まとめ
一般にチェスは黒番が不利で守りに回ることが多いですが、シュリーマンディフェンスは黒番でも主導権を握ってプレイすることができる、ルイロペス対策の選択肢になるオープニングです。