アラピン・バリエーションの特徴は?
アラピンバリエーションでは、シシリアン・ディフェンスに対して白番はc3を指します。
白番は中央をポーンで支配する狙いがあります。
ここでは白番の狙いに対して黒番の対処法を紹介します。
黒番は相手がc3によりナイトを展開できないことを利用して駒組みを進めていきます。
アラピン・バリエーションの流れは?
白:初手e4はチェスの基本となる一手。
黒:c5でシシリアン・ディフェンスとなります。白番のd4を防いでいます。
この後、2つの対応手段を見ていきます。
【おすすめ】すぐ中央にポーンで仕掛ける方法(2… d5)
すぐ中央にポーンで仕掛ける方法(2… d5)のまとめの盤面へジャンプ
白:c3でシシリアン・ディフェンス アラピン・バリエーションとなります。
中央にポーンを2つ並べる狙いがあります。
黒:すぐさまe4へアタックします。(2… d5)
(タップで開閉) d6とすると、白の狙い通りの展開になってしまいます(2… d6)
黒:ナイドルフやドラゴンに慣れているとd6と指したくなります。
白:d4で中央へポーンを並べてきます。
黒:ポーンでテイク。
白:c3ポーンでテイクバック。2つのポーンで支配されてしまいました!
白:ポーンでテイク。(3. exd5)
黒:クイーンでテイクバック。ここで白番はナイトを展開してクイーンを攻撃することができません。白番がc3を指していることを利用しています。
このように中央にクイーンを安定して配置できる場合はその機会を活かしましょう。
(タップで開閉) ポーンを取ってこなかったら?(3. e5)
黒:ポーンが2つ並び、センター~クイーンサイドの支配ができるのでよい形です。
(タップで開閉)中央にポーンをぶつけてきたら?(3. d4)
・eポーンを取った後、相手の伸びすぎたdポーンを攻撃していきます。
黒:eポーンを取りましょう。
黒:前進してきたポーンを攻めていきます。
黒:ポーンでも攻撃します。
黒:dポーンをテイク。
黒:ビショップ展開の後、展開に合わせてキャスリングかどうか選択していきます。
白:中央へのポーンの配置。できるだけ中央を支配しつつ、ビショップの道も開けています。
黒:ナイトを自然な位置に展開しつつ、d4ポーンに圧力をかけます。
白:d4ポーンの守りを強化する自然なナイト展開。
黒:自然なナイト展開。
白:ビショップでピンされる事を考えた一手。キャスリングの準備にもなっています。
黒:相手のビショップがナイトを守っているので、外には展開せずポーンでセンターを固めつつビショップ展開の道を開きます。基本ビショップはポーンの外に出すのが良いですが、場合によって使い分けましょう。
白:キングの安全を確保するためのキャスリング。
黒:ここでd4ポーンをテイクします。
黒:ビショップを展開しキャスリングの準備。
白:クイーン攻撃しつつナイトを展開。
黒:ここではできるだけアクティブなd6にクイーンを残しました。
(タップで開閉) クイーンを攻撃されたらどこに逃げる?
クイーンを攻撃された場合の逃げ場所はいくらか検討の余地があります。
クイーンはできるだけアクティブな位置に残しておきたいので、可能であればできるだけ中央に近い位置に置くとよいでしょう。
場合によってd6, d7, a5も検討してみましょう。
「最下段に逃げる一択ではない」と覚えておくと選択肢が広がります。
白:ビショップを展開しd4のサポート。
黒:キャスリングでキングの安全を確保。キャスリングは序盤にすべきことの1つです。
白:オープンファイルにルークを配置。ルークはポーンの少ないファイルで活躍します。
黒:ナイトの侵入を防ぎつつ、次の一手の準備をします。
白:クイーンサイドのスペース拡張の準備。
黒:クイーンサイドのスペースを確保しつつ、ビショップ展開の場所を確保しています。
黒:ビショップをフィアンケット※し、ダイアゴナル(斜め)への利きを活かせるようにします。
ルーク同士が守り合う形にできました。これで序盤で目指すべき形に到達しました!
※b7,g7へのビショップ展開のこと。
すぐ中央にポーンで仕掛ける方法(2… d5)まとめ:
【別の対応】 ナイト展開する方法(2… Nf6)
黒:「2…d5」が好みでない場合はナイト展開から始めるパターンもあります。e5を狙っていきます。
白:プッシュが最善手。
黒:ナイトは回避。
白:d4で中央を固めてきます。
黒:ポーンでテイク。
白:cポーンでテイクバック。
黒:伸びすぎた相手のe5ポーンを攻めていきます。伸ばしすぎたポーンは守りにくいのでターゲットにして攻撃を仕掛けることがよくあります。
黒:e5へのプレッシャーを高めていきます。(6. Nf3)
(タップで開閉) d6を取ってきたら?(6. exd6)
クイーンでテイクバックした後は、一例としてこのような展開を考えておきましょう。
白:中央のいい位置にいるナイトへのプレッシャー。
黒:ナイトをサポートしつつビショップ展開位置の確保。
白:キングの安全を確保するためのキャスリング。
黒:キャスリングの準備。
黒:同様にキャスリング。
黒:ここで駒同士のテンション(緊張)を開放していきます。
黒:中央がオープンになります。
黒:結果白番のポーンがバラバラになり、ポーン同士で守っていないのでポーンが弱くなっています。クイーンを展開しつつ孤立ポーンにダブルアタックをかけていきます。
白:ポーンを守る一手。
黒:ルークをオープンファイルに回しつつ、後はビショップをフィアンケットすれば十分な形になります。
ナイト展開する方法(2… Nf6)まとめ:
まとめ
シシリアン アラピン・バリエーションは、相手のeポーンを攻める手を考えることで比較的戦いやすくなります。
2手目のd5と、3手目のクイーンでのテイクバック、後はテンション(駒同士の緊張状態)の維持だけ意識していれば形にはなるのでそこだけ押さえておきましょう。
シシリアンに対して「2. c3」とされた時にぜひ使ってみてください。
相手の形に合わせて自分の対応を変えられると良い形をつくりやすくなります!