いつ駒交換をするべき?12個の具体例【チェス】

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いつ駒交換をするべきか?

交換すべきなのは、「自分に有利に働くとき時だけ」です。

具体的にどのような状況で交換すべきか解説しますので、判断材料にしてみてください。

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交換を考えても良いとき

ピースアップのとき

ピースアップの時は同じポイントのピースを交換していきましょう。
※ピースアップとは、持っているピース(ポーン・キング以外のコマ)の数でリードしていることです。

<交換前:ナイト1つ分白番が有利な局面>


ナイト以外のピースを交換した場合、機動力のあるナイトを活かしてエンドゲームを戦うことができます。
相手の動けるコマがいなくなるので反撃も受けにくく、ピースアップ側が非常にプレイしやすくなります。

<交換後>

・交換により局面が単純化されるので、シンプリフィケーション(Simplification)と呼ばれます。
有利な場面ではよく使われる方法です。

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相手のポーン構造を乱せるとき

相手のポーン構造を乱せるときはピース交換を検討しましょう。
クイーンで交換が可能な場面を見てみます。


交換によって、相手のキング前のポーン構造を乱すことができ、キング周辺の守りが弱体化しました。
相手に弱点をつくりだせそうな時は交換を考えてみましょう。

相手に危険な駒がある時

相手に危険な駒がある時はピース交換を検討しましょう。
例えば相手のナイトがこちらの陣内深くに侵入している場合、このナイトは非常に強力だと言えます。
ポーンに守られている上、白側のマスを攻撃できる準備ができているからです。


そんな時は危険なピースを同等のコマで交換できないか考えてみましょう。
相手の脅威を軽減できます。

相手のクイーンによってキングが危険にさらされている場合、クイーンを交換するのも良い手です。
チェックメイトの大部分はクイーンによるものなので、その危険を排除するのに有効です。

自分が良いナイトを持ち、相手が悪いビショップを持つとき

自分が良いナイトを持ち、相手が悪いビショップを持つときには自分の良いナイト&相手の悪いビショップ以外のピース交換を検討してみましょう。

「良い◯◯」・「悪い◯◯」とはコマが働いているかどうかを表す表現です。

良いナイトとは:自由に動けてコマの利き(働き)がよいナイトのこと
悪いビショップとは:自由に動けずコマの利き(働き)が悪いビショップのこと

<黒番は悪いビショップ、白番は良いナイトを持っている>
この状況でナイトとビショップ以外のピースを交換したらどうなるでしょうか?


ビショップとナイトだけが残ると、ビショップの弱さ・ナイトの強力さが強調されます。
実質相手はビショップを持っていないに等しい状況です!

キング前のフィアンケットビショップとの交換

キング前のフィアンケットビショップとの交換を検討しましょう。


相手の黒マスビショップがいなくなると、キング前のポーン形が乱された形になります。
黒マスが相手の弱点となっています。
フィアンケットビショップとの交換はよくあるムーブですので、覚えておくと役立ちます。

フィアンケットビショップに限らず、1つの駒が複数の弱点を守っている場合に交換が有効です。

弱点を守っている駒を除去したいとき

弱点を守っている駒を除去したいときは交換を検討しましょう。

黒番のナイトは弱点であるe5を守っています。
ナイトを除去できれば白番のナイトをe5に配置でき(アウトポスト)、非常に取り除きにくく強力な駒になります。

自陣が窮屈な時

自陣が窮屈な時は駒交換を検討しましょう。

自陣が窮屈だと、動かしたい場所にピースを動かせなくなります。
駒交換をしてスペースをつくることで最適な位置に駒を配置しやすくなります。

<前線にナイトを展開して駒交換を提案する>

交換をされても良いとき

実質追加のムーブを得られる時

実質追加のムーブを得られる時は交換されてもメリットが得られることがあります。

白番はビショップでチェックを防ぎ、黒番のビショップを狙っています。
図1~3は相手にビショップを交換させる流れを表しています。

<図1>
ビショップがにらみ合っています。


<図2>
交換せずクイーンで守ります。


<図3>
交換が発生すると、お互いのビショップが消えてクイーンが前に出ています。
図1と3を見比べると、ビショップ同士が消えクイーンだけがワープしたように見えます。
交換の間に移動の手を省略できているので、黒にとっては交換を誘うのが得です。

交換しないほうが良い時

ピースダウンのとき

ピースダウンのときは交換をできるだけ避けましょう。

ピースダウンとはピースの数で負けているときのことです。

「ピースアップのとき」の項目の逆の理由です。

できるだけピースを残し、局面を複雑にすることでカウンターを狙う必要があります。

交換すると相手を助けてしまいます。

相手の駒を前進させてしまう時

相手の駒を前進させてしまう時は交換しないようにしましょう。

下図のビショップとの交換は、相手のクイーンの前進を助けてしまうので指したくない手です。
駒同士がにらみ合っている時は思わず取りたくなりますが、一旦それでよいのか考えてから指すようにしましょう。

相手の駒の利きを改善してしまう時

相手の駒の利きを改善してしまう時は交換しないようにしましょう。
ルークが向かい合う場面はよくあります。
自分から交換するとどうなるでしょうか?


自分から交換すると、相手にオープンファイルの支配を許したり、相手の駒だけ駒の利きがよくなる場合があります。

<黒番のルークが改善された一方、白番は働いていない>

自分にスペースアドバンテージがあるとき

自分はスペース的に余裕があり相手はスペースがなく窮屈な場合、駒交換はしない方向で検討してみましょう。
スペースの有無については以下の特徴があります。

スペースのある攻め側:
攻撃のための駒組みを最適化できるスペースが存在するので、ベストな攻撃態勢を準備できます。

スペースの狭い守り側:
自陣が窮屈であると、守りのための最適な駒組みが制限されるので守りが弱くなります。

スペースアドバンテージについては下記記事でより深く解説しています。

判断のポイント

次の2点をチェックして駒交換をするかどうかの判断基準にしましょう。

1:相手と自分の駒を比較する。
交換する相手の駒と自分の駒を比較してどちらが良い駒なのか考える。

2:交換した後の状況を考えてみる。
交換後の状況が自分に有利なのか、相手に有利なのか結果まで見通して交換するか考える。

いくつか局面を紹介しましたが、実際の対局では異なる形で現れます。
表面的な基準で判断しないために上記のチェックをおすすめします。

さいごに

チェスを始めたばかりの頃は、なんとなくナイトとビショップの交換など同価値の駒の交換を気軽にしたくなると思います。

また、チェスをしたことがある人なら一度は「交換したほうがいいのか?」と悩んだことがあるはずです。

交換するかどうかで迷ったときには、ここでの具体例や判断基準を参考に手を考えてみてください!

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