はじめに

ポーンローラー(Pawn roller)とは、2つの隣同士になったパスポーンを使ってお互いを守りつつ前進し、プロモーションやスペースの拡大を狙う戦略・戦術の両要素を持った動きです。
スチームローラー(Steamroller)とも呼びます。
2つの並んだポーンはとても強力です。ポーンを前へと連続で押していけるとかなり気持ちいいですよ!
ポーンローラーの例
ポーンは動き自体は弱い駒ですが、他の駒に対しては強く出ることができます。
ポーンをルークやクイーンなど、ピースでサポートしつつ前進していくとかなりの迫力があります。
4つの例を紹介します。
例1
例えばこの局面、パスポーンが2つ並んでいるので連携して前進が考えられます。

ルークでブロッケードしているが、ポーンで追い払える。

テンポを得つつ前進。

ルークでは止められません。

プロモーションまであと一歩。

他のピースの連携も使っていく。

プロモーション。交換後、ピースアップなので完全に勝勢です。

例2:Robin van Kampen – Mark van der Werf (2011年)
ルイ・ロペス、白番からのポーンローラー。
センターポーン2つの活かし方の1例としても参考になります。
例3:Johannes Esser – Frank James Marshall (1911年)
フレンチディフェンス、黒番側からのポーンローラー。
Frank James Marshall、フランクマーシャル (1877-1944)

画像:「Marshall, Frank James – DPLA」、Digital Public Library of Americaより、パブリックドメイン
例4:David Bronstein – Ernst Rojahn (1956年)
イタリアンゲーム、白番からのポーンローラー。
David Bronstein、ブロンシュテイン (1924-2006)

画像:「David Bronstein 1968」、Anefo(オランダ国立アーカイブ)より、CC0 1.0、Wikimedia Commons経由
さいごに

頻繁にできるものではありませんが、2つのポーンを突き続け押し込んでいくプレイを実戦でできると、かなりの達成感があります。
並んだポーン2つをつくれそうな場合など、ポーンローラーができないか考えると実行するチャンスを見つけられることがあります。
強力な攻撃の機会を見逃さないようにポーンの配置に気を配ってみましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。😊
\最大級のオンラインチェスサイトChess.com/
