ビショップペア(Bishop pair)とは?
ビショップペアとは、一方がビショップを2つ持っている状態のことです。
別名ダブルビショップ(Double bishops)、ツービショップ(two bishops)とも言います。
ビショップペアには多くのメリットがあるので、その活かし方を解説します。
<白番はビショップペアを持っている>
ビショップ・ナイトの特徴比較
基礎としてビショップとナイトの特徴をまとめます。
明確な得意不得意がありますね。
ビショップ:
・長距離を素早く動ける
・オープンな展開が得意
・特定の色にしか動けない
・ピンやスキュアができる
ナイト:
・短距離の移動になる
・クローズドな(閉じた)展開が得意
・駒を飛び越せる
・フォークができる
ビショップペアのメリット
多くのマスを支配できる
ビショップペアはお互いの色を補い合って広い範囲を支配できます。
ビショップペアはキングの行動制限ができ、自分のキングとの連携でチェックメイトも可能です。
ナイトは最大8マス支配できるのに対してビショップは最大13マス支配できます。
ビショップ同士はお互いを邪魔しない
ビショップペアは絶対にお互いの邪魔になりません。
ナイトペアはお互いの行き先にナイトがあって邪魔になることがあります。
<ビショップは絶対に行先が重ならない>
盤面の両サイドでの戦いに対応できる
ビショップは長距離を少ない手数で移動できる駒なので、両サイドで攻めを行うことで相手のナイトがカバーできない位置を攻めることができます。
相手のナイトが駆けつける前に攻められるのが良いところ。
<ビショップは両サイドをカバーしやすい>
有利なタイミングで交換しやすい
ナイト側からビショップに交換を仕掛けるよりも、ビショップ側からナイトと交換する方が簡単です。
自分が有利になれるタイミングで交換を仕掛けやすいのがメリットの一つです。
<ビショップから交換を仕掛けやすい>
ビショップペアを活かすには
適切なタイミングで交換し、勝てるアドバンテージを得る
ビショップペアを持ち続けているだけでは最大限に活用しているとは言えません。
適切なタイミングでビショップを交換することで、勝てるアドバンテージを得られるのがビショップペアのメリットです。
例えば、この場面ではビショップを交換することで勝ちに近づくポジションを得られます。
<ここからビショップを含めて交換していくと・・・>
<ビショップを含めて交換した結果>
相手はポーンを守れません。
ビショップペアのアドバンテージをポーン得という別のアドバンテージに変換できました。
勝てるエンドゲームに持っていくことができます。
オープンな展開にする
ビショップペアを活かすには、ビショップについての基礎知識を考えればOK。
オープンな展開に持っていくようにしましょう。
ポーンで塞がれないようにし、ビショップの利きを活かしましょう。
相手ルークの侵入を防ぐのに使う
ビショップペアはルークの侵入を防ぐ力があります。
攻めだけでなく守りにも有効です。
侵入経路をカバーするように配置すると有効です。
自分がビショップペアを持っている時の注意点
相手がビショップペアを与えてきた場合は、相手側は一時的な別のメリットを得ている場合があります。
相手がビショップを失うことで得た短期アドバンテージ(例えばイニシアティブなど)を長期アドバンテージに変換されないように意識しましょう。
まずは同点に追いつくことを考えます。
同点に追いついた後はビショップペアのアドバンテージを活かせます。
※イニシアティブについては別記事で解説しています。
相手がビショップペアを持っている時の対策
相手のビショップを1つ交換する
相手がビショップペアを持っているときは、相手のビショップの片方を交換することを目指しましょう。
ビショップペアのメリットを失わせることができます。
また、相手の残ったビショップが「バッドビショップ」になる場合は特に有効です。
ポジションをクローズドにする
ポジションをクローズド(閉じたまま)にすることがビショップペア対策に有効です。
ビショップはオープンなダイアゴナル(斜めのライン)があることで力を発揮します。
ビショップの利きをポーンで遮断してしまえばビショップペアは機能しにくくなり、価値が低下します。
クローズドなポジションはナイトが好むところなのでナイトが活かせるところも良い点です。
さいごに
ビショップペアを具体的にどうやれば活かせるのかと聞かれると、はっきりとは答えにくいかもしれません。
今回紹介した活かし方で一番のポイントは、
「ビショップを適切なタイミングで交換することで勝てるエンドゲームに持って行く」
という考え方です。
この考え方を知っておくだけで対局中の選択肢が増えるはずです。
なんとなくビショップペアは良いものなんだという考え方から、少しでも理解を深められれば一歩前進です。