vs Petrov Defense/ペトロフ・ディフェンス【チェス定跡】

Petrov Defense/ペトロフ・ディフェンス
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初手e4に対して、通常は下記のようにNc6がよくある手ですが、Petrov Defense/ペトロフ・ディフェンスでは逆側のナイト(Nf6)が展開されます。予想とは異なる手が来たときにこれに対抗する手段を見ていきましょう。
Lichess実績で相手が指してくる可能性が高いラインかつ、こちらの勝率の高いラインをご紹介します。

Petrov Defense/ペトロフ・ディフェンスとは?

↓これがPetrov Defense/ペトロフ・ディフェンスの形です。(Russian Gameとも呼ばれます。)
白と黒が対称になっており、黒がこちらのe4ポーンを狙っているのが特徴です。
※補足:この場面で相手がNf6を指す確率は約12%。


↓ちなみにこちらは通常よくあるパターン。スコッチ・ギャンビット、イタリアン・ゲームなどに進みたい場合はこちらの展開の方が好都合です。

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大まかな流れ

白:初手e4。
黒:e4に対してe5。最もプレイされる手順。


白:自然なナイト展開。
黒:Nf6でペトロフ・ディフェンスとなります。12%くらいのプレイヤーがこの手をプレイします。

対抗手段:Italian Variation (3. Bc4)

「3… Nxe4」の場合

「3… Nxe4」まとめの盤面へ移動

白:f7ポーンを狙う位置にビショップを展開します。
黒:守られていないポーンをナイトでテイク。


白:自然な位置にナイトを展開。
黒:こちらが展開したナイトを相手がテイク。


白:dポーンで取り返すことで、クイーンとダークスクエアビショップの道が開き、攻撃の準備を早めることができます。
黒:e5のポーンを守るためd6とします。


白:こちらはフライドリバーアタックの形でf7に攻撃を仕掛けます。
黒:f7を守るためにビショップを展開します。


白:ビショップで相手ビショップをテイク。
黒:ポーンでテイクバック。


白:クイーンでチェックメイト狙い(f7スクエア) or b7への攻撃を仕掛けます。
相手はどちらかは守れなくなってしまいます。


相手クイーンはチェックメイトを防げますが、ルークは守れません。


白:ルークをタダ取りできました。ルーク分駒得しているので大きく勝ちに近づきました。

ここまでのまとめ:

「3… Bc5」の場合

「3… Bc5」まとめの盤面へ移動

黒:ビショップを展開。
白:このときe5ポーンがタダなのでテイクします。


黒:キャスリングでキングの安全を確保
白:ポーンで中央支配、後のポーンプッシュの準備をします。


黒:ビショップを安全な位置に逃し、f2へのラインはキープします。
白:ナイトを飛び込ませます。この後仮にクイーンに逃げられてもポーン2個分こちらが得しています。


黒:ルークでテイク。
白:ビショップでテイクバック。ほぼ等価の交換となりますが、追加の効果もあります。
・ルーク(5点)+ポーン(1点)
・ナイト(3点)+ビショップ(3点)


黒:キングでテイクバック、キングが危険な位置に動かざるを得なくなっています。
白:ポーンでナイトを攻めていきます。


黒:チェスは駒展開が重要なので、攻撃された駒は前に出がちです。ナイトを中央に配置しています。
白:クイーンでフォークします。Nf6とキングの前に戻ることはできますがポーンが狙っているのでナイトはテイクできます。
こちらはキャスリングの準備もできている一方、相手はキングを晒している状態なので大幅有利となっています。

かなり有利に進んでいるのもありますが、Lichessレート1,200~2,000ではこの局面で勝率80%となっています。

ここまでの流れ:

「3… Nc6」の場合:「Max Lange Attack」へ移行

「3… Nc6」まとめの盤面へ移動

黒:自然なナイト展開。
白:中央にポーンで攻撃を仕掛けます。


黒:ポーンでテイク。
白:キャスリングしてキングの安全を確保。


黒:中央を支配する位置へのビショップの展開。
白:ポーンでナイトを攻撃する「Max Lange Attack」へ移行します。スコッチギャンビットのページ、「ナイトを展開してきた場合2(4… Nf6):Max Lange Attackへ移行」で続きを紹介しています。

この局面でのLichessレート1,200~2,000の勝率実績は62%でした。

ここまでの流れ:

まとめ

例えばスコッチギャンビットを狙っている時に、この「ペトロフディフェンス」に出会うときもたまにあると思います。

ペトロフディフェンスへの有利な動きをしっていれば良い形に持っていくことができますので、機会があれば試してみてください。

分岐が多くて覚えられない・・・という人もそれでも全く問題ありません。
チェスは覚えているラインを再現するより、自分で考えて指す方が何倍も楽しめます。

覚えなくてもこのようなアイデアがあることを一度吸収していれば、同じ動きができなかったとしても攻めのアイデアを考えつく糧になっているはずなので無駄にはなりません!

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