はじめに

アンパッサンはチェスにおいて「ルールに則ったポーンの特殊な動き」であって、バグやチートではありません!
ここではアンパッサンはどのような時にできるのか、どのような時になったらできなくなるのかについて紹介します。
また、より深く理解できるように、実際の対局でアンパッサンが活躍した例を紹介していきます。
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アンパッサンとは?
アンパッサン(en passant)とは、相手のポーンが1手で2マス動き、自分のポーンの真横まで来た次の手で、斜め前に1マス進んで2マス進んだ相手のポーンを取ることを言います。
次のターンでのみアンパッサンは可能で、1度別の手を指してしまうとアンパッサンはできなくなります。
文字だけだとわかりにくいので、画像と動かせるボードを見てみましょう。
白:自分のポーンが中央にあります。

黒:初期位置のポーンは2マス進めます。
白のポーンの真横に来ました!アンパッサンできる状態です!

白:斜め前に進みながら黒のポーンを取れました!
チェスにおいて特殊な動きの1つです。

アンパッサンできる条件まとめ

・相手のポーンは前のターンに2マス進んでいる。
・アンパッサンするポーンは敵のポーンが通過したマスを攻撃している。
・相手のポーンが2マス進んだ直後のターンのみアンパッサン可能。
アンパッサンできないパターン
チェスにおいてアンパッサンできないパターンがあります。
できるパターンとよく似ていても、 条件を満たしていないとアンパッサンできないので注意しましょう。
1マス動いてポーンの横に来た時
アンパッサンには、ポーンが2つのマスを一気に動いたときという条件があります。
1マスだけ動いて、自分のポーンの横に来たときにはアンパッサンはできません。
<例>
1マス動いて横に来ても・・・

アンパッサンできません!
オンラインチェスなら動かせなくなっているのでわかりやすいですね。

2マス進んできた直後にアンパッサンしなかった時
相手のポーンが2マス進んで自分のポーンの横に来たときでも、 アンパッサンをせずに別の手を指してしまうとその次のターンにはアンパッサンはできません。
直後にしかアンパッサンはできないので注意しましょう。
<例>
アンパッサンせずにナイトを動かしてしまったので、アンパッサンの権利はなくなります。

ポーンでしかアンパッサンできない
ポーンでしかアンパッサンはできません。
例えばビショップは斜めに進めますが、ポーンではないのでアンパッサンできません。
<例>
ポーンでしかアンパッサンできない!

アンパッサンのポイント

アンパッサンは権利なので、放棄して他の手を指してもOKです。
するしないで有利不利が決まる場合もあるのが面白いところです。
対局例

アンパッサンが複数回あったり、アンパッサンでチェックメイトとなった珍しい対局を紹介します。
アンパッサンがなければポーンで封鎖されてしまいますが、アンパッサンがあるおかげで開けた展開にできる選択肢が生まれます。
チェスの可能性・面白さを高めるルールと言えます。
Jon Ludvig Hammer – Magnus Carlsen(カールセン) 1-0
アンパッサンでのチェックメイトです。
アンパッサンしたおかげでビショップの攻撃が通り、チェックメイトとなりました。
ルーク・ビショップ・ポーンが逃げ道をすべて押さえています。
Irina Korepanova – Alexander Tishkov 0-1
アンパッサンでのメイト。
アンパッサンで取りつつ、ポーンでとどめを刺したチェックメイト。
ポーンでチェックメイトできるとおしゃれですね。
Magnus Carlsen(カールセン) – Loek van Wely 1-0
アンパッサン2回あり。
ポーンを2つ進ませる利点を阻止したい時アンパッサンは便利です。
Jan Timman – Garry Kasparov(カスパロフ) 1/2-1/2
アンパッサン2回あり。
ポーンによる封鎖や、スペースを得る動きを防ぐこともできます。
さいごに

特殊な動きとはいえ、アンパッサンはするかしないかで局面の性質が大きく変わることもある重要なポイントです。
アンパッサンはチェスを始めたばかりだと慣れないかもしれませんが、
「相手のポーンが2つ進み、自分のポーンの隣まで来たら」
これにピンとくるようになれば、アンパッサンの可能性に気付けるようになると思います。
実戦でも活用してみてください。😊
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