Englund Gambit/イングランド・ギャンビット【チェス定跡】

Englund Gambit/イングランド・ギャンビット
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白番の初手d4に対して黒はe5とする、Englund Gambit/イングランド・ギャンビットをご紹介します。
d4対策のレパートリーの候補にしてみませんか?特に2つめに紹介した「Hartlaub-Charlick Gambit」がオススメです。

Englund Gambit/イングランド・ギャンビットの初手

Englund Gambitの狙いは?

クイーンで相手のクイーンサイドに奇襲を仕掛け、悪手を誘うのが狙いです。相手は正確な対応が求められ、1つでも間違えると駒損やチェックメイトになる可能性が高いです。

いわゆる「トラップ」の色が強いので、トラップが好みでない人はこの次の項目のHartlaub-Charlick Gambitの方がオススメです。

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Englund Gambitの流れは?

「Englund Gambit」まとめの盤面へジャンプ

白:チェスの初手で2番めに多く指されているのがd4。
黒:d4に対してポーンをぶつけます。白の思い通りの展開にさせない効果もあります。


白:ポーンテイク。
黒:ナイトでe5にプレッシャーをかけます。


白:e5ポーン保持のためにナイトで守りを強化。
黒:クイーンを攻撃参加させe5にさらに圧力をかけます。


白:ポーンの守り強化のためにビショップを展開。
黒:しかし黒の本当の狙いはクイーンサイドでありビショップとb2ポーンをフォークしつつ、チェックしています。

相手がはまる落とし穴1(クリックで開閉)

白:クイーンでビショップを守ろうとするとトラップにハマります。


白:ルークを守るためにクイーンで守ったつもりが、次はビショップに狙われクイーンを失います。
白のキングへクイーンがピンされているので逃げられません。

白:クイーンで守るとクイーンを失うことになるのでビショップで守るのが相手は正解。
黒:b2ポーンをテイク。

相手がはまる落とし穴2(クリックで開閉)

白:ビショップでルークを守ろうとしてもトラップにハマります。
黒:黒は白のビショップをピン。相手ビショップはクイーンを取れません。


白:ビショップをテイク。
黒:ナイトでテイクバック。


白:ナイトを展開し、クイーンでナイトを守ります。
黒:ナイトでチェック。白のキングの逃げ場所がないため白はクイーンでナイトを取るしかありません。

白:ビショップで守るとトラップにかかるのでナイトを展開してルークを守っています。
黒:ナイトでのc2へのフォーク狙い。

相手がはまる落とし穴3(クリックで開閉)

白:ルークでクイーンを攻撃しようとすると罠にはまります。
黒:ナイトでチェック。キングの逃げ場がないので白はナイトを取らなくてはならず、クイーンを失います。

白:Nd4が唯一の正解。ここまで来てようやく白が有利に立ちます。
白は対処方法を知らないと間違うか、時間をかなり消費してしまうでしょう。

ここまでのまとめ:

【こちらがおすすめ!】Hartlaub-Charlick Gambitの狙いは?

ポーンを犠牲にしてピースの展開速度を上げることが目的のオープニングです。
また、その展開速度の速さにより相手のクイーンをテイクできるチャンスもあります。
(※正式名はEnglund Gambit Complex: Hartlaub-Charlick Gambit。)
↓十分に展開ができ、攻撃体制が整います。

Englund Gambit/イングランド・ギャンビットの展開完了図

Hartlaub-Charlick Gambit:クイーンを獲得できるライン

「クイーンを獲得できるライン」まとめの盤面へジャンプ

白:初手d4。
黒:まず相手のd4に対して、e5とします。


白:ポーンをテイク。
黒:e5を取られた後、d6とさらにポーンを犠牲にします。


白:2つめのポーンをテイク。
黒:ビショップで取り返します。こちらは後手ですが、ピースの展開速度で勝っています。相手の展開されたマイナーピースは0、こちらは1。
これがギャンビットでポーンを犠牲にするメリットです。


展開を続けます。


白:ビショップを続いて展開。


白:相手はキャスリングの準備としてポーンを前進。
黒:こちらはクイーンを展開。
これによりクイーンサイドにキャスリングする準備が整いました。
クイーンサイドキャスリングは、相手のクイーンの目の前にルークを一手で配置できるメリットがあります。


白:キャスリングの準備。
黒:こちらはキャスリングにより展開が完了します。
すでに5つのピースがアクティブなポジションに配置されています。通常白番の方が展開が早いですが、ポーンを2つ捨てたことで展開速度で黒番が勝っています。
また、ルークが間接的にクイーンを狙っていますのでタクティクスを決められる準備もできています。


白:こちらの攻撃を警戒していない場合、↓のようにキャスリングをしてきます。
黒:攻撃の下準備としてビショップでナイトをテイク。


黒:ビショップでテイクバック。
白:ビショップをサクリファイスしてディスカバードアタックによりダブルアタックを仕掛けます。
キングが逃げる必要があるので、クイーンを取ることができます。
(※補足:ディスカバードアタックとは2つのピースが並んでいたとき、前のピースが移動することで、後ろのピースが相手のピースを攻撃している状態になること。)

Englund Gambit/イングランド・ギャンビットでディスカバードアタックをした盤面


クイーンの前にいる自分のピースの後ろにルークやビショップを配置すれば有利になれるチャンスが生まれます。

ここまでのまとめ:

相手がクイーンを守ってきたら?(Bd2)

「相手がクイーンを守ってきたら?(Bd2)」まとめの盤面へジャンプ

白:ビショップでブロック。
黒:この場合は展開を完了し、キングサイドに攻撃を仕掛けましょう。すでに自分のピースはキングサイドを狙っています。

Englund Gambit/イングランド・ギャンビット 攻撃のアイデア


↓その後の攻撃のアイデアです。

白番初手e4でもHartlaub-Charlick Gambitに持ち込む方法

「白番初手e4でもHartlaub-Charlick Gambitに持ち込む方法」まとめの盤面へジャンプ

フレンチ・ディフェンスのようにd6から入れば、Hartlaub-Charlick Gambitに持ち込める可能性があります。


白:中央支配をしてくる可能性が高い。


白:ポーンテイク。
黒:ナイト展開します。


白:さらにポーンをテイク。
黒:ビショップテイクバックで望んだラインにはいれました。

ここまでのまとめ:

まとめ

<Englund Gambit/イングランドギャンビット>
トラップ気味のラインが特徴です。
イングランドギャンビットはメインのオープニングには向いていませんので、気分転換に遊びたいなと思った時に使ってみるのがよいでしょう。

Hartlaub-Charlick Gambit
ポーン2つを失うかわりに、黒にも関わらず展開速度が白を上回り素早いところが魅力です。
相手の狙いを外し、自分はピース展開で相手を上回りたいと思った時に使えるオープニングです。

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