棋譜の読み方を知らなくてもチェスは楽しめますが、知っていれば必ず役に立ちます。
ここでアルファベットや記号を使った表記の読み方を知っておき、対局をこなしていけば自然と身につけていけるはずです。
このサイトでの棋譜について
このサイトでは棋譜を極力排除して一目で理解できるようにしていますが、それでも棋譜を使って表記しているところが一部あります。
棋譜の読み方・書き方を身につければ、その部分が明確に理解できるようになりますのでここで棋譜を読めるように練習していきましょう。
もちろん知らなくてもチェスは楽しめますので、最初は無理に覚えなくても大丈夫です!
マスの位置はどう表す?
白番から見て以下のように位置の名前が決められています。
左から右へ:a、b、c、d、e、f、g、h
下から上へ:1、2、3、4、5、6、7、8
下の例の青丸のマスの名前はeと4が交わった地点なので、「e4」となります。
以降の説明に次の用語を使います。チェスで頻繁に出てくるので覚えておきましょう。
・ファイル(列のこと)
aの列はaファイル、bの列はbファイルと呼びます。
aファイル、bファイル、・・・、hファイル
・ランク(行のこと)
例えば7行目はセブンス(7th)ランクと呼ばれます。
頭に序数をつけて呼びます。
1st, 2nd, 3rd, 4th, 5th, 6th, 7th, 8thランク
駒を表すアルファベットは?
棋譜を記載する時にどの駒が動いたか分かるように頭にアルファベット大文字で1文字付けます。
以下の通りです。ポーンの場合は何もつけません。
キング:K
クイーン:Q
ルーク:R
ビショップ:B
ナイト:N
ポーン:何もつけません!
基本的な動きの表し方
<ポーン以外の駒の場合>
基本は「駒のアルファベット1文字+移動先のマスの名前」で一手を表現できます。
例えば、以下の場面ではナイトがc3に動いており、Nc3と書きます。
<ポーンの時>
移動先のマスの名前のみで一手を表現できます。
例えば、以下の場面ではc4に動いており、c4と書きます。他と違ってアルファベットは不要です。
特殊な動きには記号を付けます
以下の動きのときには記号を追加します。
<移動先のマスの名前の前に追加>
・テイク(駒を取ること):x
以下のようにビショップでd5にある駒を取ると「Bxd5」と書きます。
<末尾に追加>
・チェック(将棋で言う王手):+
・チェックメイト(将棋で言う詰み):#
・プロモーション(将棋で言う成り):=
→例えばプロモーションでクイーンになったら「=Q」と末尾につけます。
→プロモーションでナイトになったら「=N」と末尾につけます。
下図のようにe7のポーンがクイーンにプロモーションしつつチェックした場合は「e8=Q+」と書きます。このように複数の記号を末尾につけることもあります。
「基本的な動きの表し方」では動きを特定できないとき
例えば以下の場合、ナイトがd4のポーンを取る時はこれまでの知識では「Nxd4」と書きました。
しかし、以下の例の場合それでは左右どちらのナイトで取ったか分からなくなります。
そのためこの場面では仮にfファイルのナイトでポーンを取ったとすると「Nfxd4」と書くのが正しい表記です。
元々どのファイルにいたかをxの前に入れます。
※補足:ポーンが何かを取る時は元々いたファイル名を必ず記載します。
以下の例ではcxd5と書きます。
キャスリングしたとき
キャスリングという特殊な動きは以下のように表します。
キングサイド(キングがいる側)へのキャスリング:O-O
クイーンサイド(クイーンがいる側)へのキャスリング:O-O-O
結局、まとめると?
まとめると以下の組み合わせで一手が表記されています。
[駒のアルファベット1文字][始点][駒を取ったか?][終点][特殊な動き]
※[終点]以外については、なくても分かる場合は省略されます。
例を示すと以下のようになります。
Qdxf7#
→Q[クイーンが]d[dファイルにいた]x[駒を取った]f7[f7へ動いた]#[チェックメイト]
一方の手だけ記載したいとき
白番の棋譜だけ記載したい場合:1. e4
→数字の隣にピリオドを入れます。白の1手目はe4だとわかります。
黒番の棋譜だけ記載したい場合:1… e5
→数字の隣にピリオドを3つ入れます。黒の1手目はe5だとわかります。
※ピリオド前の数字は何手目かを表しています。「2.」なら2手目です。
※このサイトではピリオド3つが「中点3つ」として表示されています。
本当はピリオド3つで表現したいのですが、仕様上?強制的に変換されて表示されています。
勝ち負けの表記
勝ったほうが1、負けたら0、引き分けなら1/2です。
白の勝ち:1-0
黒の勝ち:0-1
引き分け:1/2-1/2
白-黒 になっているんですね。
さいごに
<本で棋譜並べをしたい人>
棋譜を読めることは、自分で棋譜並べをしてみたい人には必須の知識です。
一般に何を覚えるときでも言えることですが、一度で覚えられなくても繰り返して覚えたいものに接していると記憶に定着しやすくなります。最初はゆっくりでも確実に棋譜を再現できるように練習してみましょう。
<ネット対局メインの人>
ネットで対局する場合は対局後に自分の棋譜が記録されていますので、実際の動きと見比べながら復習してみると自然と身についてくるはずです。