はじめに
有利を勝ちに近づける方法を4つ紹介します。
初心者のうちは1つ目の項目の「ピースアップのときは同じ価値のピース交換する」だけ知っておけばOKです。
チェスに慣れてきたら2つ目、さらに余裕が出てきたら3、4つ目の項目も意識していきましょう!
単純化:ピースアップのときは同じ価値のピースを交換する
初心者からでも使いやすいのが交換する考え方です。
ピースアップ※の時は同じポイントのピースを交換していくのが通常はよい考え方です。
※ピースアップとは、持っているピース(ポーン以外のコマ)の数でリードしていることです。
ビショップ同士、ルーク同士などで交換していきましょう。
<交換前:ナイト1つ分白番が多い局面>
ナイト以外のピースを交換した場合、機動力のあるナイトを活かしてエンドゲームを戦うことができます。
相手の動けるコマがいなくなるので反撃も受けにくく、ピースアップ側が非常にプレイしやすくなります。
<交換後>
例としてお互いの価値の等しい駒を消しました。
機動力の高いナイトだけが残り、ナイトが活躍しやすくなっているのがわかります。
<例えを考えるとわかりやすい>
サッカーなどのチームスポーツを考えるとわかりやすくなります。
1人退場して11対10のままでやるよりも、2対1の方が多数側が有利が拡大しているのが感覚的に分かります。
カウンタープレイ(反撃)を許さない
マテリアル(駒)で有利であっても、相手のパスポーンを放置したりすると途端に勝てるかわからない展開になります。
相手がカウンターを狙っていると分かったら、それをあらかじめ防ぐ手を考えましょう。
例えば・・・お互いパスポーンがあり、相手のポーンを止めた後に自分のポーンをプロモーションするなど。
<例1:プロモーションを焦らない>
相手のプロモーションを阻止してから自分のポーンを進めれば、お互いがクイーンを持つ展開を避けられます!
お互いのポーンの競争になるときで、相手のポーンを止める余裕があるときは止めましょう。
複雑な展開になるのを避けられます。
ここでは先にポーンを取ってしまえば相手は何もできなくなり、ほぼ勝ちと確信できます。
<例2:相手の邪魔をする>
この局面ではできるだけはやく右のパスポーンを止めたくなりますが、それを優先すると中央でカウンタープレイを許してしまいます。
まずは相手のキングの行先を塞いでから進めるのが好手です。
「勢い」を「変わらない優位」に変える
優位(アドバンテージ)には2種類あります。
それぞれリンク先で解説しています。
「勢いの優位」🔥:
ダイナミックアドバンテージ(Dynamic advantage)とも言う。
・駒展開の先行
・イニシアティブ(主導権)を持っている
「変わりにくい優位」☘️:
スタティックアドバンテージ(Static advantage)とも言う。
・駒得 (相手より駒を1つ多く取る)
・駒の配置の良さによる有利を得る (ポジショナルアドバンテージ)
・自陣を広く保つ (スペースアドバンテージ)
・ポーン構造の優位 (孤立ポーンを相手に発生させるなど、相手に弱点をつくる)
・ビショップペア
・クイーンサイドにポーンを相手より多く持つ
などです。
「勢い」は上手く使わないと、展開が進むにつれて優位が減少します。
(タップ開閉) サッカーで例えると?
攻めで数的有利になっているのに、ゴール前で時間がかかっていると、相手の守備が戻ってきて守られてしまいます。
得点の可能性が下がりますね。
そんなイメージです。
時間がかかればチェスの相手も態勢を整える時間が取れてしまいます。
優位を保つためには「勢い」→「変わりにくい優位」に変えていくことがポイントです。
例えば、
・ギャンビットで駒展開の優位があっても攻撃にうまく活かせなかった時
などです。
駒展開の優位を活かせなかった場合、ポーン1つを犠牲にしていたときは、単なる「ポーン1つ損」になって不利になると分かります。
アドバンテージを変換するという考え方が頭の中に少しでもあれば、方針が立てやすくなるはずです!
相手が明らかに不利な状況なら急がない
相手の駒を相手陣内に閉じ込めているような、相手がポジションを改善する余地がない展開では、焦って攻める必要はありません。
こちらのスペースは確保されていれば、最高の準備をして攻撃に入るのがよいでしょう。
相手は狭いスペースで配置の改善ができず、良い動きありません。
一方でこちらは広いスペースを使って駒を最適な場所に駒の配置を改善(マヌーバリング)し、自分のタイミングで攻撃を仕掛けられます。
スペースアドバンテージの考え方も関係するので、以下も参考にしてみてください。
さいごに
●初心者のうちはこれだけ考えればOK
有利を勝ちにつなげる基本はピースアップの時にピース交換することです。
初心者のうちはこれを心がければ十分でしょう。
●チェスに慣れてきたら気にすること
・カウンタープレイに注意することを意識しましょう。
・ギャンビットなどで得た勢いを変わらない優位に変えることを意識しましょう。
・相手に有効な打つ手がない場合は、焦らず自分の態勢をベストな形にしましょう。
自分が有利な時に活用してみてくださいね!