- はじめに(★は基本用語)
- あ行
- か行
- さ行
- た行
- 単純化(たんじゅんか)
- ダークスクエア(Dark square)
- ダイアゴナル(Diagonal)★
- タクティクス(tactics、戦術)★
- ダブルチェック(Double check)
- ダブルポーン(Doubled pawns)
- チェック(Check)★
- チェックメイト(Checkmate)★
- ツヴィッシェンツーク(中間手/Zwischenzug/Intermediate move/ Intermezzo)
- テイク(Take)★
- 手番(てばん)
- 展開(Development)★
- テンポ(tempo)
- ディスカバードアタック(Discovered attack)
- デコイ(おとり/Decoy/Deflection)
- デスペラード(Desperado)
- トラップ(Trap)
- な行
- は行
- ま行
- や行
- ら行
- わ行
- さいごに
はじめに(★は基本用語)
各記事で出てくるチェス用語についてよく出てくるものの意味をまとめました。
チェス用語に満たない、初心者にはわかりにくい言葉も含めています。
より深く知りたい場合は関連記事を参考にしてください。
用語は無理に覚えず、徐々に理解していけばOKです。
※始めたばかりの初心者の方向けに、とりあえず覚えたい用語について★をつけています。
参考にしてみてください。
あ行
合駒(あいごま)
相手のロングレンジピース(ビショップ、ルーク、クイーン)に対して、自分の駒を配置して利きを止めること。
特にチェックからキングを守る時に使われる。
インターポーズ(Interpose)とも言う。
悪手(あくしゅ)
悪い手のこと。自分の状況を悪くする手のこと。
チェスではひどい悪手をブランダーと呼びます。
アレヒンズ・ガン(Alekhine’s gun)
ルークの後ろにルーク、一番うしろにクイーンを配置したバッテリーのこと。
過去の世界チャンピオン、アレヒンにちなんで名付けられた。
アンダーマイニング(守り駒の除去/Undermining/Removing a defender)
アンダーマイニングとは、守り駒を除去すること。
<例>
相手の白マスビショップはナイトに守られていますが、ナイトが取られるとビショップはタダ取りできます。
※gif
アンパッサン(en passant)★
相手の初期配置のポーンが2マス動き、自分のポーンの真横まで来た場合、次のターンでのみ斜め前に進みながら取ることができます。
次のターンにアンパッサンをしなかった場合、さらに次のターンになるとアンパッサンはできません。
<アンパッサンができる場合> ※gif
<アンパッサンできない場合>
ただし、ポーンが1マス進んで真横に来た場合には適用されません。
アンピン(unpin)
ピンを解除すること。
相手にビショップでピンされた場合、図のようにビショップをナイトの後ろに配置することで、ナイトは自由に動けるようになります。
後ろのビショップなら取られてもクイーンで取り返せるのでポイント的にプラスマイナス0。
イニシアティブ(Initiative)
チェスにおいてイニシアティブ(主導権)とは、一連の攻めによって脅威を作り出し、相手を守りに回らせ続けている状態を言います。
インクリメント(Increment)
駒を動かした後、プレーヤーの持ち時間に追加される追加時間のこと。
例えば15+10と表記される場合は、
15(分の基本持ち時間)+10(1手指すごとに10秒追加)
という意味です。
+10秒部分がインクリメントです。
インタフィアレンス(妨害/Interference)
インタフィアレンスとは、2つの駒の間に駒を割り込ませて連携を断ち切ることを言います。
例:
ナイトへのクイーンの利きをポーンで断ち切りました。
ウィンドミル(風車/Windmill)
チェックをディスカバードチェックを繰り返しながら駒を取り尽くしていくタクティクス。 ※gif
X線攻撃(X-ray attack)
X線攻撃とは、相手の駒の向こう側を間接的に攻撃している状態のこと。
<例>
白番のルークが白番のクイーンの位置を間接的に攻撃している。
白番のクイーンが取られても、白番のルークで取り返せます。
エンドゲーム(Endgame)★
エンドゲームとは盤上に駒が少なくなった終盤のことを言います。
<エンドゲームの一例>
応手(おうしゅ)
相手が打った手に対してこちらが打つ手のこと。
将棋や囲碁でも使われる用語です。
オーバーロード(過負荷/Overload)
1つの駒が2つ以上の駒を守る必要がある状態をオーバーロードと言います。
<例>
ポーンが守っているナイトかルークのどちらかが取られた場合、ポーンで取り返すともう一方のピースの守りがなくなります。
オープニング(Opening)★
1:オープニングとは序盤のこと。
2:序盤の決まった手順のこと。将棋で言う定跡。
→例:ルイ・ロペス、イタリアンゲームなどオープニングには名前が付いています。
オープン(open)
チェスボード上にポーンが少なく、局面が開けていること。
<ポーンが少ない>
か行
利き(きき)
1回の移動で攻撃ができる範囲のこと。
<ビショップが利いているマス>
赤のマスは「間接的に」利いていると言う。
キック(Kick)
ピースを攻撃して追い払うこと。
<ポーンでビショップをキックする>
キャスリング(Castling)★
キャスリングとは、キングを端に移動しルークを中央へ動かす特殊な動きのこと。
<ショートキャスリング>
キングが右へ2マス、ルークが左へ2マス動きます。 ※gif
<ロングキャスリング>
キングが左へ2マス、ルークが右へ3マス動きます。 ※gif
キングサイド(Kingside)★
チェスボードを縦半分で分けた時、キングがいるサイドのこと。
キングのいる方向にキャスリングするとキングサイドキャスリングと言う。
ギャンビット(Gambit)
ポーンなど駒をあえて捨て、引き換えに別のメリットを得ようとする動きのこと。
自分の駒を素早く展開できるなどのメリットが生まれます。
<例:スコッチギャンビット>
この場合はポーンを犠牲にしています。 ※gif
クイーンサイド(Queenside)★
チェスボードを縦半分で分けた時、クイーンがいるサイドのこと。
クイーンがいる方向にキャスリングするとクイーンサイドキャスリングと言う。
クリアランスサクリファイス(Clearance Sacrifice)
クリアランスサクリファイスとは、行きたいスクエアに自分の駒が邪魔しているとき、その駒を捨てるサクリファイスのこと。
<例>
自分のルークが邪魔なので・・・
ルークを捨てて、クイーンが入るマスを確保しました。
クローズド(Closed)
お互いのポーンがブロックし合い、開いたラインが少ない局面のこと。
<ポーンがブロックし合っている>
黒マス(Dark square)★
チェスボードには白色のマスと黒色のマスががある。黒い方を黒マスと呼ぶ。
別名ダークスクエアとも言う。
ちなみに黒マスにいるビショップは黒マスビショップ、またはダークスクエアビショップと呼ぶ。
<黒マスビショップ、ダークスクエアビショップ>
グリーク・ギフト・サクリファイス(Greek Gift Sacrifice)
キャスリングしたキングのルークポーンへサクリファイスを仕掛けること。
最も有名なサクリファイス方法の一つ。
条件がそろったときに使えば、駒得やチェックメイトにつながる。
<グリークギフトサクリファイス>
好手(こうしゅ)
うまい手・良い手のこと。
自分の状況を良くする手のこと。
駒得(こまどく)★
駒をタダで取ったり、価値の低い駒で相手の価値の高い駒を取ること。将棋でも使われる用語です。
例えば・・・
ポーンで相手のルークを取り、相手にポーンを取られる場合。
ルーク(5点) - ポーン(1点) = 4点
結果プラスなので駒得です。
さ行
サクリファイス(sacrifice)
相手に取られるマスに駒をあえて進めることで、メリットを得ようとする動きのこと。犠牲。
白マス(Light square)★
チェスボードには白色のマスと黒色のマスががある。白い方を白マスと呼ぶ。
別名ライトスクエアとも言う。
ちなみに、白マスにいるビショップは白マスビショップ、またはライトスクエアビショップと呼ぶ。
<白マスビショップ、ライトスクエアビショップ>
定跡(じょうせき)
序盤の決まった手順のこと。
チェスでは定跡のことを「オープニング」と言うことが多いです。
スキュア(Skewer)★
スキュアとは、相手の駒が同一直線状に駒が並んでいる時に、そのラインを攻撃すれば価値のある手前の駒は逃げるかわりにその先の駒を獲得できるタクティクス。
ピンと似ていますが、違いは価値の高い駒が前にいることです。
スクエア(square)★
スクエアとはチェスボード上のマスのこと。
ステイルメイト(Stalemate)★
ステイルメイトとは、手番のキングがチェックされていない状態で動かせる手がない状態を言います。
引き分けとなります。
<ステイルメイトの例>
黒番は動かす手がないのでステイルメイトになります。
ストックフィッシュ(Stockfish)
ストックフィッシュはグランドマスターのレベルを超えた最強のチェスエンジン。
人間では勝てないレベルに到達しています。
Lichessやchess.comなどで無料で使えます。
ストラテジー(strategy/戦略)
ストラテジーは長期的な利益を得るための計画のこと。
タクティクスと混同されがちですが異なるものです。
タクティクスは短期的、ストラテジーは長期的利益を得るためのものと考えればOKです。
スレット(Threat)
脅威のこと。
特に「次にチェックメイトする」というスレットを、
メイティングスレット(Mating threat)やメイトスレットと言います。
<メイティングスレット>
次に相手が対処しなければQa2でチェックメイトになる。
た行
単純化(たんじゅんか)
相手とピース交換することで、ゲームの複雑さを減らすこと。
シンプリフィケーション(Simplification)とも言う。
単純化前:
有利だが、交換をしない場合は比較的複雑になる。
単純化後:
ルークを交換してしまえば、クイーンだけ残って単純になる。
ダークスクエア(Dark square)
黒マスのこと。
以下の画像の黒いほうが黒マス。
ダイアゴナル(Diagonal)★
チェスボードの上の斜めのラインのこと。
チェスでは斜めのことをよく「ダイアゴナル」と言います。
タクティクス(tactics、戦術)★
タクティクスとは短手数で利益を得るための一連の動きのこと。
タクティクスの例:フォーク
ナイトなどで2つの駒に同時に攻撃を仕掛け、相手の駒をタダ取りできます。 ※gif
タクティクス関連の用語は、次の記事で解説しています。↓
ダブルチェック(Double check)
2つの駒により同時にチェックをかけること。
ダブルポーン(Doubled pawns)
味方同士のポーンが同じファイルに2つあること。
ポーン同士が守り合っていないので弱点となりやすい。
チェック(Check)★
相手のキングに攻撃を当てること。
将棋で言う王手。
チェックメイト(Checkmate)★
チェックメイトとは、キングがどこに動いても相手のチェックから逃げられない状態を言います。
将棋で言う詰みのこと。
<チェックメイトの一例>
ツヴィッシェンツーク(中間手/Zwischenzug/Intermediate move/ Intermezzo)
ツヴィッシェンツークとは簡単に言うと「間に挟む手」のこと。
当たり前に見える手の前に別の手を先に指すこと。様々な呼び方があります。
中間手/Zwischenzug/Intermediate move/ Intermezzoなどとも呼ばれます。
テイク(Take)★
コマを取ること。
キャプチャ(capture)とも言う。
手番(てばん)
自分が駒を動かす番のこと。
自分のターン。
展開(Development)★
展開とは、序盤に駒をよりよい位置に移動すること。
<駒を展開する>
テンポ(tempo)
テンポとは手番(自分が行う番、ターン)のこと。
ちなみに複数形はテンピ(tempi)という。
「テンポを得る」とは、自分のターンを得るということ。
「テンポを失う」とは、自分のターンを失うということ。
具体的には・・・
相手のクイーンをこちらのナイトで攻撃し、相手が逃げなければならない時、こちらから見ると「テンポを得た」と言います。自分の好きなことができるターンを得ているわけです。
逆に相手から見るとテンポを失っていることになります。
相手はクイーンを逃がすしかなく、好きなことをするターンを失ったと言えます。
ディスカバードアタック(Discovered attack)
ディスカバードアタックとは、前の駒が動くことによって後ろの駒の攻撃を発生させるテクニックを言います。 ※gif
デコイ(おとり/Decoy/Deflection)
デコイとは、特定のスクエアから駒を遠ざけるための動きのこと。
※補足:遠ざけられた駒がキングの場合はアトラクション(Attraction)と言います。
デスペラード(Desperado)
一時的にサクリファイスをしてポイントを失いますが、その後のフォローを含めてトータルで駒得しようという動きのこと。
<例> ※gif
1:クイーンでルークをとり、ナイトで取られる。(-4点)
2:ルークでクイーンを取る(+9点)
3:トータルで5ポイント得です。
トラップ(Trap)
1:相手を陥れるための罠のこと。はめ手。
2:相手の駒を閉じ込めて逃げられなくすること。
な行
は行
ハイパーモダン(Hypermodern)
ポーンによって中央を支配するのではなく、遠くからマイナーピースなどで中央を支配しようというのがハイパーモダンの考え方。
<ポーンでなくマイナーピースなどで中央を支配する>
バックランク(Back-rank)★
自分にとってチェスボードの一番手前のランク(行)のこと。
<例>
緑の行が黒番のバックランク。
青の行が白番のバックランク。
バックランクメイト(Back rank mate)★
バックランクでキングが逃げられないことを利用したチェックメイト。
バックワードポーン(Backward pawn)
バックワードポーンとは、別ポーンの斜め後方にあり他のポーンによって守られていないポーンのこと。
このポーンは前進すると白に取られてしまう状態にあります。
バッテリー(battery)
同じファイルにルークやクイーンを重ねたり、同じダイアゴナル(斜めのライン)にビショップとクイーンを重ねること。
<例>
ビショップとクイーンのバッテリー。
バッドビショップ(Bad bishop)
自分のポーンでブロックされ、動き・利きが制限されているビショップのこと。
ピース(Piece)★
文脈によって解釈が若干違います。
1:チェスのルールの話の場合、すべてのチェスの駒のことを言います。
ルーク(Rook)
ナイト(Knight)
ビショップ(Bishop)
クイーン(Queen)
キング(King)
ポーン(Pawn)
2:チェスのゲームの話の場合、ポーン以外のすべての駒のことをピースと言います。
ルーク(Rook)
ナイト(Knight)
ビショップ(Bishop)
クイーン(Queen)
キング(King)
ピン(Pin)★
ピンとは、相手の駒A越しに間接的に価値の高い駒Bを攻撃することで、駒Aを動かせない or 動かしにくい状態にするタクティクスのこと。
<絶対ピン>
ビショップの攻撃が間接的にキングに当たっているので、ナイトは絶対に動けません。
<相対ピン>
ビショップの攻撃が間接的にクイーンに当たっているので、ナイトが動くとクイーンを取ることができます。
ファイル(file)★
ファイルとはチェスボードの縦列のこと。
aの列はaファイル、bの列はbファイルと呼びます。
左から順にaファイル(青の列のこと)、bファイル、・・・、hファイル
フィアンケット(Fianchetto)
ビショップをb2、g2、b7、g7のどれかに展開すること。
<4つのビショップをフィアンケットしている>
フォーク(fork)★
フォークとは、ナイトやポーンで2つの駒を同時攻撃すること。 ※gif
ブランダー(Blunder)★
プレイヤーが不利になる大きなミスのこと。悪手。
例:
・自分の駒をタダで相手に取られる
・チェックメイトの可能性を見逃して放置してしまうこと
などなど。
ブリッツ(Blitz)
1人の持ち時間が10分以下のゲームのこと。
一手ごとに時間追加(インクリメント)がある場合は、60手のゲームの場合で合計時間が10分以下となる必要がある。
プッシュ(Push)
突くこと。特にポーンを進めることを言う場面が多い。
ブレット(Bullet)
移動が40手のゲームにおいて、1人の持ち時間が3分未満のゲームのこと。
プリムーブ(Premove)
オンラインチェスで、事前に次の手を予約すること。
ポーンストーム(Pawn storm)
ポーンストームとは2つ以上のポーンを使って相手側に攻撃を仕掛ける戦略を言います。
ポーンチェーン(Pawn chain)
斜め方向につながったポーンのこと。
ま行
マイナーピース(Minor piece)★
マイナーピースとはビショップとナイトのこと。
マイノリティアタック(Minority attack)
マイノリティアタック(Minority attack)とは、「相手よりポーンの数は少ないが、その少ないポーンを活用して相手のポーン構造を乱して弱点を作り出そうとする戦略」のこと。
マテリアル(Material)
マテリアルとは盤上にあるピースとポーンのこと。
ミドルゲーム(Middlegame)★
ミドルゲームとは対局の中盤のこと。
お互いが駒展開をし終わったくらいからミドルゲームが始まるというイメージです。
メジャーピース(Major piece)
メジャーピースとはルークとクイーンのこと。
ヘビーピース(Heavy piece)とも言います。
や行
ら行
ライトスクエア(Light square)
白マスのこと。
下の画像の白い方が白マス。
ラピッド(Rapid)★
1人の持ち時間が10分以上、60分未満のゲームのこと。
一手ごとに時間追加(インクリメント)がある場合は、60手のゲームの場合で合計時間が10分以上、60分未満となる必要がある。
ランク(rank)★
チェスボードの横の行のことをランクと言います。
白側から見た時一番下の行がファーストランク、その上の行がセカンドランク、・・・・下から七番目がセブンスランク、一番上はエイスランクです。
英語表記:first, second, third, fourth, fifth, sixth, seventh, eighth rank
リザイン(Resign/投了)
チェックメイトされる前に、自分で負けを認めて勝負を終えること。
わ行
さいごに
初心者のうちは★のついている用語をまず知っておくとスムーズにチェスに入っていけます。
無理に覚えようとする必要はありませんが、プレイしながら興味が湧いたところから理解するようにしていければ良いですね。