ロンドンシステムの特徴・狙いは?
ロンドンシステムは、相手の手に影響されにくく毎回同じ駒組みにしやすいのが特徴です。
決まり切った手順でありながら、チェスの原則に従った良い手が指せるので初心者にもおすすめ。
「チェスを手軽に遊ぶためのおすすめオープニングは?」と聞かれると、第一に候補に上がるのがロンドンシステムです。
相手の駒組みとの相性にこだわらない・序盤に時間をかけたくない・とにかく手軽に遊びたい人にもおすすめです。
ロンドンシステムのよくある形を知りましょう!
初心者のうちは以下の駒の位置に配置することを考えて駒を動かしていくだけでOK。
細かい分岐を覚える必要はありません。
動かす手順はこの後の項目で説明します。
・ポーンをピラミッド型にする
・ビショップとナイトをどこに置くか覚える
これらがポイントです。
ロンドンシステムの流れは?
白:ロンドンシステムは初手d4で始まります。ポーンで中央を支配するのが基本。
黒:クラブレベルで最もよくあるのがd5。同等の中央支配を主張しています。
白:2手目でビショップをf4に展開するのがロンドンシステム。
展開した黒マスビショップの地味な狙い
ロンドンシステム黒マスビショップは、地味にb8のマスを狙っています。
気づかずにここにルークなどを動かしてしまいブランダーをする人が比較的いるので、取るチャンスがないか意識しておきましょう。
白:d4をサポートする一手。ここから特徴的なポーンの三角形をつくっていきます。
ビショップを先に外に出しているので、ダークスクエアビショップ(黒マスビショップ)を自陣に閉じ込めずに活用できます。ロンドンシステムのメリットの1つです。
黒:クイーンサイドのスペースを確保する一手。
白:ポーンの三角形を完成させます。ポーン同士が守り合っているので非常に固い形です。
黒:自然なナイト展開。
白:クイーンサイドのナイトを先に展開します。
(タップで開閉) クイーンサイドのナイト展開を優先する理由
・黒の上手い手を避けるためです。
黒:クイーンサイドへの展開でb2を狙います。
白:クイーン交換の提案。
黒:ポーンでのクイーン攻撃。
白:b2を守れる位置に逃げます。
白:黒番のビショップはタダのように見えますが、取るとこちらがルークを失うので取れません。
相手ビショップによい位置を許し、こちらのクイーンが受け身になっているので良くない形です。
黒番がe6と指してビショップの展開がなくなってから、キングサイドのナイトを展開しましょう。
黒:中央をサポートするe6。ダークスクエアビショップの展開準備にもなっています。
白:ナイトの展開。攻めの際にはこのナイトはをe5にジャンプさせるのがよくある攻めパターンです。
ビショップが消極的な場合(6… Be7)
ビショップが消極的な場合(6… Be7)のまとめの盤面へジャンプ
・e5にナイトを配置して攻めを組み立てていきます。
黒:キャスリングの準備のためのビショップ展開。
白:この場面ではd3にビショップを置くと最も効果的なので、この位置に配置しました。e2に置く選択肢もあります。
黒:e5にいるナイトが邪魔なのでテイク。
白:ポーンでテイクバックすることで、キングサイドを守っているナイトを排除できます。
「e5にいるポーン」は攻撃に役立つことが多々あるので、ここにポーンを配置できるチャンスが有れば狙っていきましょう。
黒:ナイトの退避。
白:この後クイーン、ポーン、ナイトなどを活用してキングサイドを攻めていきます。
ビショップが消極的な場合(6… Be7)まとめ:
ビショップ交換を迫ってきたとき(6… Bd6)
ビショップ交換を迫ってきたとき(6… Bd6)まとめの盤面へジャンプ:
・中央をポーンブレイクすることを考えます。
黒:最もアクティブな位置へのビショップ配置。
白:交換されても良い位置に逃がします。
(タップで開閉) なぜg3に逃がすの?
ルークを活用できるメリットがあるからです。
ビショップを取られた場合、hポーンで取り返すことでhファイルをオープンにできます。
ビショップと連携したタクティクスなどが考えられます。
黒:キャスリングでキングの安全を確保。
白:最もアクティブな位置にビショップを配置します。
黒:ライトスクエアビショップ(白マスビショップ)の活用を考えたb6。
白:黒番のナイトの守りがなくなったタイミングでセンターに攻撃を仕掛けていきます。
交換が発生します。
白:ビショップでテイクバックし、中央にビショップを配置しつつ相手の守りのないナイトをルークへピンできています。
黒:ナイトを守る一手。
白:クイーンを展開しつつ、ターゲットになっているナイトに集中攻撃をします。ピンされた駒に攻撃を集中させるのは良い手であることが多いです。
黒:ナイトを逃がしつつビショップを守る一手。
白:ルークを攻撃に参加させます。働いていなかった駒を戦いに参加させるのを意識すると攻めと展開の好循環が生まれます。
黒:クイーンを退避。
白:ルークを7thランクに配置。徐々に相手の陣内に駒を近づけていくのが優勢になるコツです。
ビショップ交換を迫ってきたとき(6… Bd6)まとめ:
さいごに
駒の配置と駒組みの手順さえ覚えておけば、比較的安定して中盤までたどり着けるのがロンドンシステムの良いところです。
初心者のうちは序盤を乗り切るのが難しい場合があるので、序盤の対応で困っている人はぜひ使ってみてください。