チェスで負けてしまう理由をご紹介します。
知らず知らずのうちにこれらに当てはまっていないか確認してみましょう。
「オープニング(序盤)にすべきこと・避けるべきこと」をおろそかにしているため
チェスには序盤にすべきことがいくつかあります。
これらを怠っていませんか?今一度振り返ってみましょう。
特に4番がおろそかになりがちです。
<すべきこと>
1:中央支配する
2:マイナーピースを展開する
3:キャスリングする
4:ルーク同士がお互いを守る形にする
5:スペースを確保する
<避けること>
6:クイーンを早く外に出さない
7:序盤は同じ駒を2回動かさない
オープニングの知識不足
初心者から徐々にレベルが上がっていくと、オープニングを知っておくことが中盤を快適にプレイできるかの分かれ目になってきます。
オープニング(定跡)の「大まかな手順」や「理想的な駒組み」を知っておくことで適切な手を選択しやすくなります。
※ただし、初心者のうちはオープニングの知識はさほど重要ではありません。
チェスの原則に従っているか、タダ取りが勝敗を左右します。
チェスの原則(セオリー)に従っていないため
チェスには「守るべき原則」が多く存在します。
例えば次のようなことをしてしまっていないでしょうか。
<好ましくない手の例>
・ナイトを盤面の端に展開している
・なんとなくポーンを前進させている
以下のページで守るべき原則を紹介しているので参考にしてみてください。
簡単なチェックメイト・安易な駒得を狙っているため
「相手が簡単に止められるか?」と考えると、攻撃の案が良いか悪いか判断できます。
相手へ次の手でチェックメイトできる手を指しても、ポーンプッシュ1つで完全に攻撃を無効化されてしまう場合、それは良い攻撃ではありません。
「相手が気づかないでくれればチェックメイトだ!」という相手頼りのチェス(ホープチェス)は、最初はうまくいくかも知れませんがレベルが上がるにつれて通用しなくなります。
例えば下のように「相手が見逃せばチェックメイト」というアイデアが思い浮かびます。
しかし相手はh6と突くと対処でき、自分のナイトはベストのスクエアc3に入れなくなってしまいます。
簡単に脱却することは難しいかも知れませんが、このような考え方もあると知っておくだけで変わってきます。
指す手がブランダー(ミス)でないか確認していないため
初心者の負けの原因の多くは「指す手がミスでないか確認していない」ことが主な要因です。
・ピースをタダ取りされる
・相手のピースをタダ取りできるチャンスを見逃す
どちらもブランダー(ミス)です。
これらがなくなるだけで勝率はグンと上がります。
ミスをしないことを第一に考えてプレーしましょう。
駒を動かす前に「この手を指しても問題ないか?」と一度確認する癖をつけるとよいでしょう。
※初心者のうちは見落としは当たり前に起きることです。
タダで取られたからと言って、落ち込む必要はありません。誰もが通る道です!
ブランダーした後に冷静さを失って、安易な駒交換をしてしまうため
例えばナイトを駒得される取り方をされたとします。
その後の「やってしまった・・・」という感情の勢いで多くの駒を交換してしまうのは悪手です。
「ピースダウン(駒損)をしてしまったときは、できるだけピースを相手と交換しないことが重要」です。
なぜピースダウン時に交換するのは良くないのか見てみましょう。
チェス以外の話で例えると、人数差1人のサッカーを「11人 vs 10人 or 2人 vs 1人」でやることを想像するとわかりやすいと思います。明らかに2人 vs 1人の方が影響が大きくなります。
チェスに戻って以下の場合を考えてみましょう。
(交換前)
白:ポーン5、ルーク2、ナイト1(合計18点)
黒:ポーン5、ルーク1、ナイト1(合計13点)
(交換後)
白:ポーン5、ルーク1(合計10点)
黒:ポーン5、(合計5点)
交換前の白は黒のポイントの約1.4倍 (18/13)
交換後の白は黒のポイントの 2.0倍 (10/5)
ポイントの比率は交換後の方が数値が大きく、駒得している方の有利が拡大しています。
対策は、ブランダーした後は一呼吸置くことで冷静になることです。
本当に交換していいのか?と自分に問いかけ、上記のポイントを思い出せば状況をさらなる悪化を防げます。
キャスリングをしていないため
キャスリングをすることが必ず正解ということではありませんが、キャスリングをしていないことでキングを危険に晒し負けにつながることがよくあります。
特に中央のポーンがなくなったオープンな展開ではキングの安全が勝敗に関わってきますので、キャスリングを忘れずするようにしましょう。
連敗後にまた対局しているため
連敗後に「後1勝だけ・・・」と勝ちに執着すると、上で紹介した「簡単なチェックメイト・安易な駒得を狙う」思考に陥ります。
安易なプレイは相手も対処しやすく、好手が生まれにくくなります。
また、チェスには”Premature Attacks“という言葉があります。攻撃の準備が整っていないのに攻撃を仕掛けてしまうことです。準備の整っていない攻撃は成功しません。
連敗中では早く勝ちたいあまり駒展開がおろそかになり、”時期尚早の攻撃”をするため攻撃に失敗し勝ちにつながりません。
連敗している時こそチェスをやめ、翌日以降チェスを再開しましょう。
頭・気持ちの切り替えは大切です。
補足:Tiltについて検索してみましょう。
駒同士が攻撃しあっている時、すぐ取ってしまうため
自分の駒に相手から攻撃を仕掛けられると、本能的に取りたくなってしまいます。
ここは我慢して「取ると相手にメリットがあるのではないか?」と考えることが大切です。
例えばピース交換により相手の駒が前進できる場合は、相手の駒を取るのが得策とは言えません。
こちらが手数をかけて相手のポジション改善を助けているだけです。
駒数の増減とは違ってポジション改善は数値化しにくいものですが、コマの配置によって確実に有利不利が決まります。
「相手からの攻撃=こちらは守備」と考えてしまうため
例えばクイーンがナイトから攻撃されている場合を考えます。
クイーンを取られたくないので考えることといえば・・・次のようなことを考えます。
・逃げる
・他の駒でブロックする
これだけでは選択肢が狭まってしまいます。
攻撃されている状態でもこちらからカウンター攻撃する選択肢も考えましょう。
攻撃が問題を解決する手段になることもよくあります。
以下はごく一部の例で、状況次第でカウンターの方法は無数にあります。
<例:クイーンへの攻撃をピンで対応。>
キングへのピンなのでクイーンを取ることはできません。
この例ではわずかな反撃だけですが、場合によっては大幅に有利になる手が隠れている場合もあります。
<例2:ナイトへの攻撃に対して相手ビショップを攻撃する>
相手にどうするか選択を迫ることができ、相手に時間をかけて考えさせる手段にもなります。
持ち時間を使わず、すぐ指してしまうため
例えばラピッド戦15分+10秒の対局で、持ち時間をほとんど減らさずに指している人を時々見かけます。
時間を使わなくても先を見きっている場合なら問題ありませんが、そうでない場合は時間をかけて数手先を読む癖をつけましょう。
持ち時間を有効活用して相手より1手でも多く先を読めれば勝ちに近づきます。
駒得した後、勝てると安心してしまうため
駒得した瞬間ほど気が抜けるときはありません。
「ビショップをタダで取れたからこれは大幅有利だ!」などと考えているとその後の手で思わぬ単純ミスをしてしまうことがあります。(私も何度も経験があります!)
勝てると思ったときこそもう一度盤面に集中しましょう。
安心がブランダーにつながることを思い出し、ミスがないか十分確認してから次の一手を指しましょう。
まとめ
新たな考え方を知ることができたでしょうか?
様々なコツをどれくらい知っているかがチェスの結果を左右します。
実力アップの助けになれば幸いです。