白番初手d4から始まり、中央にポーンの壁をつくるオープニングです。
駒組みの段階では手順が前後する場合もありますが、手の意図を理解しておけば相手の動きに対応できます。
Stonewall Attack/ストーンウォール・アタックの狙いは?
白番初手d4から始まる中央をポーンの壁で守り、キングサイドへ攻撃を仕掛ける狙いがあります。
ナイトを中央へ移動した後、キングサイドへクイーンを展開したり、ルークリフト、またはポーンストームにより守りを崩していきます。
大きな流れ
白:ストーンウォールアタックの初手はd4。dポーンで中央を支配しようとしています。
黒:d5は白と同じレベルの支配を目指した手です。
白:d4の補強。ストーンウォールのポーン形状をつくっていきます。
白:ビショップを展開します。
できるだけ早めに展開することで相手のビショップを展開しにくくしています。
ストーンウォールアタックでは、 ビショップのキングサイドへの利きが重要となってきますので、この動きは遅らせないようにします。
白:次にビショップをd2に置き、e4(赤い◯)をナイトとともに守ります。
相手のナイトを展開させない狙いがあります。
相手ビショップが飛んできても、交換した結果はこちらのポーン得になります。
白:f4は相手ビショップの利きやポーンの前進を止めるのと、e5支配の強化のためです。
後でルークやクイーンが攻撃のために使用する道を開ける意味もあり、攻守に有効な手です。
白:ナイトを展開し、将来的にナイトをe5に配置するのを狙っています。他のオープニングでもよく見られる手なので覚えておくと応用がききます。
黒:クイーンサイドのスペース確保を意図したc5。
白:d4を守るためにc3とします。「c5にはc3」とすると覚えておくと間違えません。
この後c4とビショップが攻撃されても、c2に逃げることでキングサイドへのビショップの利きは維持されます。
白:キャスリングでキングを安全にし、ルークで攻撃できる態勢にします。
白:ナイトがe5へ飛び、黒側にプレッシャーをかけます。
展開したナイトをテイクされても、取り返したポーンで再度f6へ攻撃を仕掛けられるため相手はナイトを取りにくくなっています。
同時にナイトがf3からいなくなったことでクイーンとルークがキングサイドへ移動する道が開いています。
どのように攻めればいい?
d3のビショップの利き、クイーンの展開、ルークリフト、またはポーンによりキングサイドを攻めるのが典型的な方法です。
展開が進むに連れてc1のビショップも射線が通ってきます。
キングサイドを攻めるときに少なくとも3~4のピースが攻めに必要です。
このオープニングではピースの数は揃っていますので、うまく連携させて攻めをつなぎましょう。
ここまでのまとめ:
Stonewallは黒番でも使えます!
相手が初手d4の場合で見ていきます。
黒:d5で対応します。白と同等の中央支配を狙う手です。
白:クイーンサイドのポーンで中央支配を強めてきます。
黒:d4ポーンを支えるためにc6とします。
白:ナイトの自然な展開。e5へのさらなる圧力をかけてきます。
黒:d4の補強をします。
白:ナイトの自然な展開。
黒:f5としてストーンウォールの特徴であるポーン形ができました。
e4への強い支配ができ、後からナイトをここに置くのがストーンウォールの目的の一つです。
※一方でe5はポーンで攻撃できないので相手のナイトの配置に利用されやすくなっています。
白:クイーンへの攻撃。
黒:ナイトでブロック。クイーンがいるのでナイトは取られても構いません。
黒:ビショップの展開でキャスリングの準備をします。
黒:キャスリングでキングの安全を確保しつつ、ルークをよりアクティブなスクエアへ移動させています。
黒:ナイトを目的にしていたe4へ展開できました。ポーンで相手の攻撃されない位置にナイトやビショップを配置することはチェスにおいて重要な攻めの要素です。
このオープニングに限らず使える考え方です。
白:ビショップをテイク。
黒:クイーンでビショップをテイクバック。
白:ストーンウォールの弱点であるe5にナイト展開をしてきます。
黒:ナイトで対応するのが基本。
白:ナイトをポーン2つで補強しています。こちらと同じ狙いになっています。
黒:その後攻め方としては、以下が挙げられます。
・ポーンをプッシュする
・ナイトを前線に出してクイーンと連携して攻める
・ライトスクエアビショップが動かせていないのでそれを活かす
ここまでの黒番ストーンウォールのまとめ:
まとめ
ストーンウォールアタックでは、チェスのオープニングの中でも特徴的な形のポーンの壁をつくって戦うことができます。
典型的な中央から攻撃するチェスに飽きたら、中央を固めた後キングサイドを狙うこの序盤にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。