エクスチェンジサクリファイスとは?【チェス】

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エクスチェンジサクリファイスとは?

エクスチェンジサクリファイス(Exchange Sacrifice)とは、自分のルークを相手のマイナーピース(ナイトかビショップ)と交換する手のことです。
駒のポイント的には2点損しますが、それと引き換えに有利な局面を得ようとする狙いがあります。


ルークは序盤では動きが制限されているのでナイトよりも働きが悪いため、早い段階でルークとナイトをエクスチェンジサクリファイスができると局面を有利にできることがあります。

※エクスチェンジサクリファイスが有効かどうかは場合によるので、実際の対局では使うかどうか自分で判断が必要です。

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エクスチェンジサクリファイスが有効なタイミング

キング前のナイトへのエクスチェンジサクリファイス

以下の局面では、ナイトへエクスチェンジサクリファイスを仕掛けると以下の効果があります。

<効果>
 ・d5、h7ポーンは守りがなくなります。
 ・キャスリングしたキングの前のポーン構造を乱すことができます。

<こんなとき有効>
・キングサイドへの攻撃が進んでおり、キングの前を強引に開かせたい時。
・h7地点を狙うビショップ&クイーンのバッテリーを組んでいる時。

相手が強すぎるナイトやビショップを持っている時

下図のようにアウトポストにいるナイトがいるとします。

ポーンで攻撃できず、他のマイナーピースでも除去できない場合、このナイトは影響力が大きい強力なピースとなっています。

強力なナイトによって白番が動きを制限されていたり、チェックメイトの危険性があったりした場合にはエクスチェンジサクリファイスでナイトを除去し状況が改善できます。


ルークとナイトを交換した方がメリットがあると判断した時には試してみましょう。

キング前にフィアンケットしたビショップとの交換

あえて相手にルークをビショップで取らせるのが効果的な場合があります。
エクスチェンジサクリファイスにより相手のビショップを欠けさせることで、弱点を利用した攻撃につなげられます。
ここでは黒マスを守る相手の駒が減るので、白番はダークスクエア(黒マス)を支配しやすくなります。


下図ではルークをあえて取らせました。
その結果、相手のキング前のダークスクエアビショップを失ったことでダークスクエアがスカスカになっています。

一方白番はダークスクエアビショップが残っているので、クイーンと組み合わせれば効果的にダークスクエアの弱点を利用した攻撃をすることができます。

黒番はダークスクエアビショップを失ったのでダークスクエアを守りにくくなります。

ルークが強力なマイナーピースに狙われている時

チェスにおいて、ルークは5点ですがそのルークが端のほうで戦いに参加していない時、価値は実質0と言っても過言ではありません。

チェスにおいて重要なのは、「持っている駒の数ではなく、働いている駒の数」です。

相手の強力なマイナーピース」を「自分の活躍していないルーク」と交換できる時はエクスチェンジサクリファイスを検討してもよいでしょう。

<例>
黒番ナイトはアウトポストに入り、ルークを狙っています。
一方で白番の右端のルークは働いていません。


こんな時にあえてルークを取らせれば、相手の強力なナイトと自分の働いていないルークを実質交換できます。
働いているマイナーピースは実際3点以上の価値があるので場合によっては状況を改善できます。

相手のポーン構造を破壊するメリットがある時

下図のように相手がポーンで取らざるを得ない時、有効になる場合があります。


エクスチェンジサクリファイスによりポーン同士が守り合うことができなくなり、簡単にポーンを取れる構造になりました。
ルークとナイトの価値2点差の代わりに相手の弱点をつくりだすことができました。

まとめ

エクスチェンジサクリファイスは自分のルーク(5点)と相手のマイナーピースの交換になるため、基本的にはメリットがないと使えない手です。

使い所は選びますが、一見ポイント的には損な交換をすることによって別のメリットを得られるのがエクスチェンジサクリファイスの良いところです。

ルークが相手のマイナーピースを狙っている時、「仮にマイナーピースを取ったとして有利になれる可能性があるかも?」と考えて、自分の手を考えてみると良い手を見つけられる可能性があります。

頻繁に使えるタクティクスではありませんが、ルークとマイナーピースを交換する手もあることを知っておくだけで中盤・終盤での選択肢が広がるため、ベストムーブを指せる可能性が高まります!

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