はじめに

ポーンブロッケードとは、ピースを相手のポーンの前に置いて前進をブロックすることです。
パスポーンは危険な存在なので動けないようにしておくことが大切です。
ポーンで止められない場合はピースで止めることになるので、ポーンブロッケードが必要になってきます。
ポーンブロッケードの狙いは?
プロモーションの危険を防ぐ
パスポーンの前にピースを置けば、物理的に前に進めなくなります。
これが一番基本となる使い方です。

弱点を固定する
ポーン交換をされると弱点がなくなるので、固定して弱点解消を防ぎます。
以下の局面では、d4ポーンが孤立しているため白はプッシュして黒のe6との交換を狙います。
それを防ぐためにポーンブロッケードをするのが有効です。
<例1>

<例2>
Aron Nimzowitsch – Egil Jacobsen (1923.03.07)

弱点については以下の記事で解説しています。
ポーンを攻めに使わせない
ポーンストームなどを止めるのにも役立ちます。
<例1>

ポーンストームについては以下の記事で解説しています。
<例2>
ポーンをプッシュさせたくないときに役立ちます。

<例3>
ポーンプッシュによりポーン構造が乱されるのをポーンブロッケードで防止。
Jose Raul Capablanca vs Arnold Aurbach (1914年)

相手のピースを閉じ込めたままにする
攻撃的な守りにも使えます。
以下の例ではポーンブロッケードによってポーンを動けなくし、ビショップ展開のための選択肢を奪っています。
相手のスペースを窮屈にして選択肢を奪うのもチェスにおいては良い戦略です。
<例1:相手はdポーンを動かせない>

<例2:dポーンを止めている>

スペースについては以下の記事で解説しています。
パスポーンは◯◯者だ!

名プレイヤー、アロン・ニムゾヴィッチは、彼の著書の
My System
の中でパスポーンをこのように評しています。
パスポーンは犯罪者であり、厳重に監視されるべき存在だ。
警察の監視のような穏やかな対策では不十分である。
アロン・ニムゾヴィッチ (1886-1935)
The passed Pawn is a criminal, who should be kept under lock and key.
Mild measures, such as police surveillance, are not sufficient.
Aron Nimzowitsch (1886-1935)
結構過激な表現ですが、パスポーンは本当に危険な存在です。
プロモーションは動くだけでタクティクスを引き起こす可能性を持っています。
ポーンブロッケードで「動けないようにしておく」重要性が伝わってきますね。
パスポーンの力については、以下の記事で解説しています。
ブロッケードに適した駒
基本的にナイトがベストです。
ナイトであれば、利きをふさがれることがないからです。
オープンラインも必要ありません。
次点でビショップがよいでしょう。
利きがふさがれず、より価値の高い駒を戦いに使えます。
クイーンのような価値の高い駒ほどブロッケードに使うのに向いていません。
特にクイーンは真正面の利きがふさがれるだけでなく、ポーン前にいることで機動性が落ちてしまうからです。
<ナイトはポーンを守るポーンを攻撃できる>
ポーンブロッケードできるだけでなく、パスポーンを守るポーンを攻撃できる場合があります。

<ビショップは斜めのポーンチェーンをすべて止められる>
f,g,hポーンのどれが先に進んでも、キングが関わってこなければ止められます。

ポーンブロッケードされたら
逆に相手にポーンブロッケードされた場合は、ポーンを止めているピースを攻撃しましょう。
ポーンブロッケードさせなければパスポーンを進められるようになります。
<例1>
クイーンはポーンブロッケードに適さない

<例2>
ポーンブロッケードしているルークを攻撃。

さいごに

パスポーンは一見すると「ギリギリで止めればいいや」と思いがちですが、ギリギリで止める状態になるともう手遅れになる事が結構あります。
パスポーンに対して、まずはナイトでポーンブロッケードできないか考えましょう。
それ以外にも、前に進ませなく進ませたくないポーンがあった場合は、ピースをその前において動きを止められないか考えましょう。
対局を有利に進められる良い手をさせるようになります。
ポーンブロッケードですぐに駒得ができるわけではありませんが、「相手のしたいことを止める」というチェスにおいてレベルの高いプレーです。
ポーンブロッケードを意識してみると、チェスをわかってきたなという実感が得られて楽しくなってくるはずです。😊