はじめに
初心者にありがちな悪手を紹介します。
理由とともに解説するので、参考にしてみてくださいね。
※注意:多くの局面では悪い手であるという意味で、すべての場面で悪手であるとは限りません。
局面によっては有効な手になる場合もあります。
序盤にポーンばかり進めてしまう
序盤にポーンばかり進めてしまうと、マイナーピース(ビショップやナイト)の展開がおろそかになってしまいます。
チェスにおいてはポーンを動かすのは最小限にして、マイナーピースをポーンの外側に出すことを意識すると上手く指せます。
「ピースの展開を効率よく行うことを目的にポーンを最小限動かす」ことを意識しておけば、ポーンばかりを動かすのを避けられます。
最序盤にクイーンをすぐにポーンの外に出してしまう
クイーンをすぐポーンの外に出すのはやめましょう。
非常に強力なのですぐに使いたくなると思います。特に初心者のうちはまずはクイーンを出すという手を差してしまいがちです。
なぜこの手が悪いのかというと、攻撃は強いが防御は弱い駒だからです。
例えば相手のマイナーピース例えばナイトに攻撃されたときにはナイトからナイトにとられたくないので逃げるしかありません。
ナイトとクイーンを交換できたとしても、ナイトのポイントは3ポイントでクイーンのポイントは9ポイントなので大幅に損です。(3-9=-6点)
クイーンが攻撃されるとなぜ良くないの?
相手の駒に攻撃されてクイーンが動くということは、自分が好きな手を指すターンを失っている(テンポを失う)からです。
早い段階でクイーンを出して攻撃される手を指すと、自分がしたいことができなくなるので、その分自分が不利になることがわかります。
相手はクイーンを攻撃しつつ駒展開ができてしまいます。
とても極端な例:
例えば、10手連続でクイーンを攻撃できたとすると・・・
・攻撃された側はクイーンを逃がす手以外指せない
・攻撃側は10手追加で指せて、様々な駒の展開がかなり進んでいる
→実質、ずっと自分のターンにできるということです。
キャスリングしたキングの前のポーンを進めてしまう
基本的に、キャスリングしたキングの前のポーンは進めないほうが良いことがほとんどです。
キング前のポーンを動かしてしまうと、
・相手にキング前のスペースに侵入されやすくなる
・ポーンを取られやすくなる
などのデメリットが発生します。
<ポーンを進めてしまった例>
赤のマスに相手が侵入できます。ナイトのマスも守られていません。
始めたばかりのうちはデメリットを感じにくいかも知れませんが、本当に必要なとき以外は基本的に動かさないようにするのをおすすめします。
※どうしても必要な時とは・・・
・チェックメイトされそうな時
・駒損を防ぐため
・キング前のポーンプッシュで有効な攻めができる時
などです。
キング前のポーンを動かすかどうかは、徐々に経験を積むことで必要か判断できるようになります。
初心者のうちは、「キング前のポーンをできるだけ進めない」ことを基本に指していくことをおすすめします。
<理想>
このように横一直線にポーンを動かさないの形がベストの守りの形です。
駒を取れる状態ですぐ交換してしまう
チェスを始めたばかりの頃は駒を取れそうならすぐ取りたくなると思います。
しかし、チェスは自分から取るより「相手に取らせて取り返す」方が良い場面が多々あります。
駒を取れそうな時、取った後に取り返される場合は一旦取るかどうかを考えるようにしましょう。
駒交換の結果、相手の駒だけが前進するようなら取らない方が良い場合が多いです。
相手にあえて取らせて、取られた後に取り返すと自分の駒だけが前に進めるというメリットを得られます。
例:
相手にクイーンを取らせれば、ナイトで前進しつつ取り返せます。
駒交換については、こちらで詳しく解説しています。
ビショップを相手のナイトと簡単に交換してしまう
チェスにおいて、駒のポイントは
ナイト:3点
ビショップ:3点
となり同じポイントなのですぐ交換しても問題ないだろうと思いがちです。
しかし、局面が進むとビショップを2つ持っているとナイトよりも有効に使える場面が出てきます。
初心者のうちは、価値はナイト=ビショップに近くなりますが、レベルアップするにつれてビショップをできるだけ交換しない「ビショップが2つ」持っている側が有利になっていきます。
ボード上のポーンが減ってくるとビショップがより活躍し始めるためです。
詳しくはこちらの記事で解説していますが、初心者のうちはできるだけ「安易に自分のビショップを相手のナイトと交換しない」ことを意識していればOKです。
「とりあえずチェック!」してしまう
なんとなくキングにチェックをかけたくなる気持ちは分かりますが、「とりあえずチェック!」はやめましょう。
チェックを簡単にポーンで防がれつつ攻撃され、ピースを逃さないといけなくなると自分が自由に動くターンを失ってしまいます。(テンポを失うと言います。)
チェスは1ターンを非常に大切にするゲームです。
白番が黒番より1手早いだけで勝率が数%変わってくるところからも、一手の価値がイメージができますね。
※チェックが有効な場面もあります。
例:
・チェックしながら駒展開ができてテンポ※を得られるとき
・弱点を作り出す
・キングのキャスリングを妨害できるとき
などなど、
自分に有効に働く理由がある場合はチェックしてOKです!
さいごに
チェスを始めたばかりの人が指したくなる悪手を紹介しました。
チェスを楽しみたいなら、極端な話どんな手を指しても構いません。
自分のやりたいように指すのも楽しみ方の1つだからです。
しかし、チェスが強くなりたいという人は、これらの悪手を指さないことを基本にトレーニングをしていくことをおすすめします。
基本から外れた正しい手は成長するにつれて指せるようになります。
まずは基本を知ってそれに従い、自然なチェスの動きができるようになるのを目指しましょう!