【チェス定跡】オープニング一覧と個人的おすすめ

【チェス定跡】オープニング一覧と個人的おすすめ
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オープニングについて

チェスの定跡/定石である「オープニング」の数は3,000以上ありますが、その中から個人的おすすめを紹介します。

それぞれに寸評もつけていますので参考に自分に合いそうなものを探してみましょう。

リンク先では実戦での使い方・考え方を解説していますので、雰囲気をつかむための参考にしてみてください。

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おすすめは?

個人的おすすめには★をつけています。

初心者:
まずは基本を知るために最低でも5~10局程度はルイ・ロペスを使うのがおすすめ。(理想的にはもっと)

チェスはどんな雰囲気か知りましょう。

初心者のうちは、定石を使いたい場合は最初の数手のみ知っていれば十分です。

何手も覚える必要は全くありません。

対局を重ねるうちにオープニングを変えたいなと思ったら、まずはオーソドックスな初手e4かd4のものの中から選ぶのがベター。

初手e4かd4のどちらかで迷ったら、まずはe4でオープンな展開に慣れることを優先しましょう。
初手e4で経験を積んだ後にd4に入っていくのが理想です。

初級者~中級者:
いくつかオープニングをプレイしてみて自分のスタイルに馴染むものを見つけましょう。
オーソドックスなものだけでなく、楽しむために変わり種も遊んでみると飽きにくくなります。

また、興味のないオープニングも覗いてみれば新しい考え方を身に付けられます。

例えば、キングサイド攻撃のアイデア、ポーンを連携させて中央を攻撃していくアイデア、ナイトを5thランクにジャンプさせるアイデア・・・などなど序盤から中盤にかけて鍵になる仕掛けを知ることができます。

時間がない人・覚えることを減らしたい人向け:
「相手の初手に影響されにくい、汎用性の高いオープニング」がおすすめ。
この記事でいくつか紹介しています。
序盤の手順を覚えるのを大幅に減らせます。とりあえず形だけ作りたい人にもおすすめです。


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白番

【初手e4】

・e4はチェスにおいて最も指される基本となる初手。
・初手e4は初心者に一番最初に指してほしい手です。
・比較的激しめの展開になります。

ルイ・ロペス/Ruy Lopez : 
・初心者~世界チャンピオンまで誰もが使う、一度は触れるべきオープニング。
・チェスの基本を知るのに役立ちます。チェス始めたてであればこれを少なくとも5~10局程度はプレイしてみましょう。

イタリアンゲーム/Italian Game : 
・どのレベル帯でも使える、チェスの基本を練習するのに最適なオープニング。
・簡単な手順での攻めでも強力。

フライドリバーアタック/Fried Liver Attack : 
・基本の攻め。相手の初期の弱点(fポーン)を狙う攻撃。
・初心者帯では必ずフライドリバーアタックを使う人に出会うでしょう。

スコッチ・ギャンビット/Scotch gambit : 
・サクリファイス・フォークを攻撃に組み込める楽しみがある。
・タクティクスを仕掛ける感覚を知ることができます。

ビエナ・ゲーム/Vienna game : 
・初手e4、2手目に変化をつける。
・fポーンを攻撃に使う攻撃的なオープニング。

スミスモラ・ギャンビット/Smith–Morra Gambit :
・黒番がシシリアン・ディフェンスを狙ってきた時に白番から仕掛けられるギャンビット。
・2手目からギャンビットを仕掛けることができる。
・シシリアン・ディフェンスに対して攻撃的に行きたい人におすすめ。

ヒルビリーアタック・シェファーギャンビット/Hillbilly Attack Schaeffer Gambit :
・カロカンディフェンスに対して、サクリファイスをからめたキングサイドアタックを楽しめる。
・フィアンケットしたキングを攻める練習にもなる。

キングズ・ギャンビット/King’s Gambit : 
・初心者~中級者向け、防御低下と引き換えに攻撃力がある。
・リスクを負ってでも激しい展開を求める人向け。

ダニッシュ・ギャンビット/Danish gambit : 
・ポーン3つを捨てるリスクの代わりにビショップを最序盤から最大活用できる。
・序盤にポーンを2つ失う代わりに、攻撃的な態勢をつくれる。

ハラース・マクドネル・ギャンビット/Halasz-McDonnell Gambit :
・ギャンビットにより主導権を握ったまま攻めを継続するトレーニングとして使えるオープニング。
・グリークギフトサクリファイスができる可能性もある。

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【初手d4】

・初手d4は初手e4と比べて穏やかな展開になりやすい。2番目に使用頻度が高い初手
・初手e4から別のものに切り替えたいときは、初手d4のオープニングから選ぶのがおすすめ。

★★クイーンズ・ギャンビット/Queen’s gambit : 
・初手d4で中央支配を狙う正統派のオープニング。
・e4から新しいオープニングに切り替える場合の候補としておすすめします。
・トップレベルのグランドマスター、ディン・リレン(Ding Liren)もよく使っています。

ロンドンシステム/London System :
・相手の手に影響されにくく毎回同じ駒組みにしやすいのが特徴。
・決まり切った手順でありながら、チェスの原則に従った良い手が指せるので初心者にもおすすめ。
・とにかく手軽にチェスを遊びたい人にもおすすめ。

コーレ・システム/Colle System : 
・システムタイプのオープニング。汎用性が高く、覚えることが少なく、守りが堅いオープニング。
・相手の動きとの相性を気にしないなら、最小の知識で対局を楽しめる特徴があります。

ジョババ・ロンドンシステム/Jobava London System : 
・グランドマスターのBaadur Jobavaが使用して普及させた初手d4のシステムタイプのオープニング。
・覚えることをできるだけ減らしたい人におすすめ。

トロンポウスキーアタック/Trompowsky Attack :
・2手目に相手のナイトへ交換を狙って圧力をかける。
・交換が受け入れられた場合、相手のポーン構造を破壊できるメリットがあります。
・オープニングの複雑な理論を避けたい人にもおすすめ。

ヴォン・ポピエル・ギャンビット/Von Popiel Gambit :
・ポーンを捨てて駒展開を加速し相手への激しい攻撃を狙うギャンビットです。
・攻撃が好きな人におすすめ。
・初手e4をメインにしている人のサブウェポンにもなります。

ストーンウォール・アタック/Stonewall Attack : 
・中央を固めてキングサイド攻撃を狙う。ルークリフトをするアイデアがある。


チェスが強くなる人の本

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【初手c4】

・初手c4は3番目によく指される柔軟な一手です。

イングリッシュ・オープニング/English Opening : 
・トップレベルでも信頼できるオープニングとしてよくプレイされています。
・相手の動きを見て最適な位置にd・eポーンを配置できる柔軟性があります。
・「相手のプランをどう止めるか」を考えるトレーニングになるため実力アップに役立ちます。

【初手Nf3】

・Nf3は初手において4番目に使用頻度の高い動きです。
・初手e4, d4と比べて、比較的相手の知識が浅いのでそこに付け込めます。
・様々なオープニングへ変化できる柔軟性があります。

キングズ・インディアン・アタック/King’s Indian Attack : 
・黒番のさまざまな応手に対して使えるオープニングです。略称:KIA。
・シシリアンに対していつもと異なる戦い方がしたい人にもおすすめ。
・初手e4から始めることもできます。

レティ・オープニング/Reti Opening : 
・遠くからマイナーピースなどで中央を支配しようとするハイパーモダンの考え方を取り入れたオープニング。
・使用率の低さもあり相手を決まりきった手順(定跡)から早く離脱させることができます。

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【初手f4】

バーズ・オープニング/Bird’s Opening : 
・初手f4の使用率はわずか1%のため相手の意表を突くことができる。
・攻撃的で楽しい白番のオープニング。(個人的感想です!)
・初手e4, d4に飽きてきたら試してみては?

汎用性の高いオープニング

・オープニング(定跡)を覚えるのを負担に感じている人におすすめできるオープニング。
・「システム」と名前がつくことも多い。
・とにかくチェスを手軽に遊びたい人におすすめ。

ロンドンシステム/London System :
d4の項目にも記載していますが汎用性が高いのでこちらにも記載しました。
・相手の手に影響されにくく毎回同じ駒組みにしやすい。
・決まり切った手順でありながら、チェスの原則に従った良い手が指せるので初心者にもおすすめ。
・とにかくチェスを手軽に遊びたい人にもおすすめ。

キングズ・インディアン・アタック/King’s Indian Attack : 
Nf3の項目にも記載していますが汎用性が高いのでこちらにも記載しました。
・黒番のさまざまな応手に対して使えるオープニングです。略称:KIA。

コーレ・システム/Colle System : 
d4欄にも記載しましたがこちらにも載せておきます。
・初手d4、システムタイプのオープニング。
・汎用性が高く、覚えることが少なく、守りが堅いオープニング。
・相手の動きとの相性を気にしないなら、最小の知識で対局を楽しめる特徴がある。

ジョババ・ロンドンシステム/Jobava London System : 
d4欄にも記載しましたがこちらにも載せておきます。
・初手d4、グランドマスターのBaadur Jobavaが使用して普及させたシステムタイプのオープニング。
・覚えることをできるだけ減らしたい人におすすめ。

ボトヴィニクシステム/Botvinnik system :
・初手c4のシステムタイプのオープニングで、典型的な自陣の形を覚えておけばすぐ使える。
・3箇所ポーンブレイク(攻めの仕掛け)を選択できる柔軟性がある。

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黒番

【vs 初手e4】

・初手e4は黒番として最も対局数が多いので対策をしておきたい。
・黒番の手がどの局面へ入るかを決定するので、自分のよく知っている領域に持ち込むことができる。

★★シシリアンディフェンス/Sicilian Defense : 
・勝ちを狙うディフェンス。攻め合いの展開になる。
・初手e4に対して非常に人気がある。
・初心者~世界トップレベルまで誰もが使っているオープニング。

★★シシリアンディフェンス カン・バリエーション/Kan variation :
・クイーンサイドのスピーディーな展開により相手のキングサイドへ脅威を生み出しつつ、さらに展開が続くバリエーション。
・初心者にもおすすめしたいバリエーション。

シシリアン アラピン・バリエーション/Alapin Variation : 
シシリアン・ディフェンスに対して白番がc3を指すバリエーションです。
ナイドルフやドラゴンとは異なる対応が必要になるので、知っておくことをおすすめします。

カロ・カン・ディフェンス/Caro-Kann Defense : 
・堅い守り、相手の知識不足を突ける。
・相手の計画を潰せる。
・相手の選択肢を絞りやすく自分の知っている展開に持ち込みやすい。

フレンチ・ディフェンス/French Defense : 
・堅い守り、知識の優位を活かせる。
・ルイロペスなどを望む相手の計画を潰せる。
・相手の中央のポーンを集中攻撃するアイデアを身につけられる。

ニムゾヴィッチ・ディフェンス/Nimzowitsch Defence : 
・中央を2ポーンで支配したい相手に対してe5でカウンターを仕掛け、キングサイドへの攻撃を狙うオープニング。
・初手e4の対応に変化が欲しい人におすすめ。

ピルツ・ディフェンス/Pirc Defence : 
・白番の初手e4に対してd6で返す。
・相手にあえて中央を支配させ、後からカウンターを仕掛けていくハイパーモダンで自由度の高いオープニング。

アレヒン・ディフェンス/Alekhine’s Defense :
・白番の初手e4に対して、ナイトでe4ポーンに攻撃を仕掛ける使用率低めのオープニング。
・相手の中央を崩すアイデアを身につけるのに適している。
・白番の初手e4の対応に飽きてきたら気分転換に指してみては?

シュリーマン・ディフェンス/Schliemann Defense : 
・ルイロペスに対する攻撃的な対応。
・ルイロペスのメインラインを避けられる。

スカンジナビアン・ディフェンス/Scandinavian Defense : 
・e4にd5とぶつけて交換を仕掛ける。
・初手e4のメジャーなオープニングに入る相手の計画を潰せる。
・ピース展開を加速できるクイーンを先に展開しないgambitのラインもある。

序盤のクイーンでの攻撃(Wayward Queen Attack)への対策 : 
・開始直後に相手がクイーンでチェックメイトを狙ってくる攻撃を防ぐための方法。
・初心者帯で時々出会うので知っておきたい。


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【vs 初手d4】

・初手d4は2番目によく現れる手なのでレパートリーとして1つは対応策を持っておきたい。

クイーンズ・ギャンビット・ディクラインド/Queen’s gambit Declined : 
・クイーンズ・ギャンビットに対する一般的なディフェンス。
・d4と同等のd5で対応するので、基本に忠実なところがGOOD。

スラブ・ディフェンス/Slav Defense : 
・クイーンズ・ギャンビット狙いに対するディフェンス。
・白マスビショップを閉じ込めずに自陣から出して活用できる。

ニムゾ・インディアン・ディフェンス/Nimzo-Indian Defence : 
・黒番が白番に対して同点に追いつく(対等な状態になる)のに有効なオープニングで人気がある。

クイーンズ・インディアン・ディフェンス/Queen’s Indian Defense
・白番の初手d4に対してニムゾ・インディアン・ディフェンスに入るのを拒否された時に使える。
・ハイパーモダンで柔軟なオープニング。

ベノニ・ディフェンス/Benoni Defense : 
・サクリファイスを絡めた攻撃で有名なミハイル・タル(Mikhail Tal)も使っていた、タクティカルな展開を楽しめる攻撃的なオープニング。

ダッチ・ディフェンス/Dutch defense : 
・白番の初手d4に対して使える黒番の攻撃的オープニング。
・初手d4に対する使用率は2%。初手e4以外なら使用可能。

ベンコー・ギャンビット/Benko gambit :
・クイーンサイドでのアクティブなプレイが狙い。
・クイーンサイドを攻める感覚を磨きたい人、タクティクスを絡めて戦いたい人におすすめ。

メキシカン・ディフェンス/Mexican Defense :
・別名ブラック・ナイツ・タンゴ(Black Knights’ Tango)。
・珍しいディフェンスで、2つのナイトが最初に展開されるところが特徴。
・個性を出したい人におすすめ。

ラットディフェンス/Rat Defense :
・クイーンズ・ギャンビットを狙いたい相手に対して予想外の仕掛けができる。
・クイーン交換につながる場合でも黒番有利にできます。

グリュンフェルド・ディフェンス/Grunfeld Defense :
・ハイパーモダンで白番にポーンで中央支配を許す形になる。
・黒はすぐさま中央へのプレッシャーをかけていくのがポイント。
・覚えるのに労力をかけても良い人に適したオープニング。
・初心者にはおすすめしにくい。

ストーンウォール・アタック/Stonewall Attack : 
・白番のストーンウォールアタックと同様に黒番でも使える。
・キングサイドアタックを狙っていく。

イングランド・ギャンビット/Englund Gambit : 
・d4にe5で交換を仕掛ける。相手の計画を潰せる。
・Englund Gambitはトラップの多い展開にできる。
・サイドラインのGambitでは駒展開で白番を上回ることが可能。クイーンをテイクできるタクティクスを実行するチャンスもあり。トラップの多いラインよりこちらの方がおすすめ。

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汎用性の高いオープニング(相手の初手に影響されにくい)

キングズ・インディアン・ディフェンス/King’s Indian Defense : 
・攻撃的ディフェンス。
・e4除く大体のオープニングから影響を受けにくく、落ち着いて駒組みできる。
・カスパロフ(Garry Kasparov)をはじめ、多数の有名プレイヤーが使用しています。
・略称:KID。

まとめ

<複数のオープニングに触れることでレベルアップにつながります>
オープニング同士はよく似たものもあり、オープニングAからオープニングBへ移行する場合もあるためできるだけ多く触れておくと実戦での対応力があがります。

多様なオープニングに触れると攻め・守りのアイデアの引き出しが増えるので好手を指せる可能性がアップします。

興味のないオープニングでも一通り目を通すと新たな発見があるでしょう。

<オープニングレパートリーが広いとチェスを長く楽しめます>
様々なオープニングに触れるのはチェスの楽しみ方の一つだと思います。

メインで使うものの他に、楽しむために使うものをサブで持っておくと良いスパイスになりチェスを長く楽しめるようになります。

使っていて楽しいと思えるオープニングをぜひ見つけてみてください!


一覧は追加・更新していきます。

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